日本のたばこ、中国人転売ヤーに爆売れのワケ…中国で人気との噂も

たばこを大量に不正購入して逮捕 5月14日、警視庁は東京・新宿区歌舞伎町のコンビニで不正に入手したクレジットカード情報を利用し、加熱式たばこを購入したとして、コンビニ店オーナーの男性(50)とベトナム国籍の20代男女4人を電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕した。 5人は昨年11月8〜10日に何者かと共謀して、オーナーの男性が経営するコンビニで、他人のカード情報を登録したスマートフォンのオフライン決済を利用。たばこ約2800箱、計約163万円分を不正に購入した疑いが持たれている。警視庁はオーナーの男性らが昨年5月から11月にかけてたばこ約17万箱、計約1億円分を不正に購入し転売、利益を得ていたとみている。 「使用されたクレジットカード情報は、フィッシング詐欺等により不正に入手したとみられます。通常、クレジットカードは不正利用が発覚すると、決済ができなくなる仕組みですが、スマートフォンを操作して一時的に外部との通信を切断した状態で『オフライン決済』ができます。 オフライン決済での上限は1万円となっており、1箱580円のたばこを17箱、9860円分の決済を何度も繰り返していたようです。ベトナム人らは深夜にオーナーに招き入れられ、店内のセルフレジで約3時間、スマホを使用してたばこの購入をくり返したとみられ、その様子が店のカメラに映っていたそうです」(社会部記者) 場所柄、怪しい買い物をしている人は多い 不正購入の現場となったオーナーの男性が経営するコンビニは、人通りの多い歌舞伎町の中でもとくに多くの人が行きかう場所にある。近くで飲食店を営んでいる男性に話を聞くと、怪しい買い物をしている人物を見たことがあるという。 「逮捕されたオーナーのコンビニで長い間レジを占拠して大量のたばこのカートンを買っている人を見たことがあります。まさかあの人たちが転売目的だった可能性があるとは知りませんでした。私自身も何度もあの店でたばこを買ったことがありますが、夜には水商売をしている人たちがお客さんのたばこを買いに来ていたりと、たばこの需要はかなりある。店には在庫もたくさんあったように感じます」 店は元々往来の激しい場所にあり、しかも歌舞伎町という場所柄。怪しい買い物をしている人はかなり多かったという。 「キャバ嬢の生誕祭らしき日には、太客が店のアイコスを全て買い占めるのも見かけました。そもそも変わったお客さんも多いので、何回もカード決済をくり返すなど、多少買い方がおかしくても誰も気にしません。頭から血を流した人や半裸の男だってそこら中にいるので、歌舞伎町の住人たちはたばこの大量購入程度ではおかしいとは思わないでしょうね」(同前) 中国では日本のたばこが人気 転売目的でのたばこの購入は数年前から相次いでおり、その多くは国外へと輸出され高額で転売されている。とくに中国への加熱式たばこの販売は顕著で、SNSでも国外向けに販売しているサイトを発見した。 実は中国では日本製の加熱式たばこが人気で、国内の販売価格よりも高値で取引されている。日本の加熱式たばこの輸入・販売・所持は違法となっているが、転売組織が密輸入して売っているという。こうした転売事情に詳しいライターに話を聞くとその理由を教えてくれた。 「売れ行きがいいんです。日本製のたばこは品質や味の面から中国でも根強い人気があり、購入したい人がたくさんいます。SNSで販売していることが多く、中国のWeChatと呼ばれるアプリでは業者による転売が日常的に行われています」 需要があることはもちろんだが、転売の商材としてたばこが選ばれるのには他にも理由があるという。 「ネットでの取引は正確な金額が表示されていませんが、だいたい国内の価格の1.5〜2倍で売れるといわれています。日本で買った場合、1カートン約5800円。iPhoneやゲーム機に比べると単価が安く、日本ではどこでも同じ金額で購入することができて簡単に数を集められる。転売組織にとっては稼ぎやすいのです。税関での審査も緩く、キャリーケースで大量に持ち込むことができるわりに利益率が高いのも、人気の1つです」(同前) たばこを買うこと自体は成人であれば誰でもできるため、SNS等で留学生などを簡単なバイトとして募集し、日本からたばこを中国へ送らせる例もあるようだ。 歌舞伎町の事件はクレジットカードを不正使用したから捕まったわけで、たばこを大量に買うこと自体は日本では違法ではない。しかし、海外の国へ個人が大量にたばこを持ち込むことは違法になるケースも多い。さらに、そもそも中国では加熱式たばこを禁じている。法を侵すというリスクがあるからこそ、転売組織の儲けとなっているのだろう。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://x.com/FRIDAY_twit 取材・文・写真:白紙緑

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