【四日市競輪 スポニチ杯】山口拳矢が完全V 絶体絶命から圧巻の捲り追い込み 役者が違った

 四日市競輪のF1「スポーツニッポン杯」はS級決勝戦が行われ、山口拳矢(29=岐阜)が10秒8の捲り追い込みで完全Vを決めた。2着は長島大介、3着は小原太樹だった。  タイミングが合わず、ワンテンポ遅れたスタートとなった山口。「選手になって初めてだった」(山口)。それでも諦めず、前へと上がって作戦通りに一番前を確保した。  村田—山口—橋本—長島—青野—小原—岸田で周回。赤板目がけて青野が上昇すると、村田は突っ張らずに車を下げる。その上を橋本が叩いて前に出ると、村田は5番手の位置で単騎岸田との内並走に。これが最終2コーナーまで長引いた。  「村田君には“自分はいないものだと思って走ってくれ”と言ってあった。村田君は脚を使ってなかったし、まだ踏めると思ってギリギリまで待った。踏むのが、あとコンマ1秒遅かったら届いていませんでした」  自力に転じたのは最終3コーナー。前では長島が番手捲りを打ち、小原がそれに切り替えた瞬間だった。見た目には完全に絶体絶命。だが…、やはり役者が違った。  大外イエロー越えの捲り追い込みは10秒8。すっ飛ぶように襲いかかり、ゴール寸前で東の両雄を捉えてみせた。  「2日目からへんとう炎が出だして体調は最悪だったけど、10秒8は上出来。いい流れはつくれた。体調を整えてしっかりと練習します」  17日に開幕するG1高松宮記念杯(岸和田)には万全の状態で乗り込むことを約束して四日市を後にした。  ◇山口 拳矢(やまぐち・けんや)1996年(平8)1月26日生まれ、岐阜県出身の29歳。117期。デビュー後は無傷でS級特進を決め、21年9月の共同通信社杯(岐阜)では史上最速となるG2優勝。23年5月の日本選手権(平塚)でG1初制覇。G3優勝は3回。通算387走164勝。父は山口幸二氏(62期=引退)。師匠は叔父の山口富生(68期)。1メートル67、70キロ。血液型A。

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