休養でわかった「浜田雅功」の圧倒的な制圧力 決めフレーズ「結果発表!」は他の芸人では成立しない

2カ月の休養期間  体調不良のため3月10日から休養に入っていたダウンタウンの浜田雅功が、約2カ月の休養期間を経て、活動を再開した。大阪のラジオ番組に出演した後、5月10・11日に大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場で開催された浜田考案の音楽フェス「ごぶごぶフェス2025」にも登場。満員の大観衆の前に元気な姿を見せた。浜田の実の息子であるOKAMOTO'Sのベーシストのハマ・オカモトもサプライズ出演を果たし、ライブで初めての親子共演が実現したことも話題になっていた。  *** 【貴重写真】「ダウンタウン」35年前の“初々しい姿”を見る  5月29日放送の「プレバト!!」(毎日放送、TBS系)、5月30日放送の「ハマダ歌謡祭★オオカミ少年」(TBS系)にも出演を果たし、ファンの間では活動再開を祝福する声が広がっている。ほかのレギュラー番組にも順次復帰していくのだろう。 浜田雅功  浜田が休んでいる間、彼のレギュラー番組では別の芸人が代役を務めていた。たとえば「ダウンタウンDX」(読売テレビ、日本テレビ系)では、千鳥、かまいたち、田村淳、川島明、ブラックマヨネーズなど、毎回さまざまな芸人がMCとして出演して浜田の抜けた穴を埋めていた。  浜田の代役を任されていたのは、それぞれがMC経験の豊富な実力者ばかりだった。そのため、浜田の代わりをするというよりも、それぞれの色を出して、自分たちらしさを生かした形で番組を進めていた。「ダウンタウンDX」という歴史の長い番組のしっかりしたフォーマットがあるからこそ、その中でそれぞれのMCの個性が光っていた。  それはそれで見ごたえがあって面白かったのだが、やはり浜田とは色が違う。司会者としての浜田雅功には、ほかの芸人にはない特別な魅力がある。  その1つは、番組を仕切るリーダーとしての絶対的な存在感である。浜田は声が大きく、言葉にキレがあり、態度も堂々としている。彼が司会として番組を進めていると、出演者もスタッフも視聴者も安心感を抱く。この人に任せておけば安心と誰もが考えるようになるからだ。 浜田は「響き」が違う  先日、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)の企画で、MC経験の少ない「や団」の中嶋亨という芸人が、なぜか浜田の代役として番組のMCを務めたことがあった。ここでは、わざと中嶋の拙い司会ぶりを見せるような場面があったのだが、そこで改めて感じたのは、浜田の圧倒的な「制圧力」だった。  司会者は番組を進めるために「それでは、VTRスタートです」「どう思いましたか?」などの段取り的なセリフを言わなければならない。こういう言葉はシンプルなので「誰が言っても同じだ」と思われやすい。でも、実はそうではない。全く同じセリフだとしても、ほかの人と浜田では「響き」が違う。浜田の言葉は常に自然で生き生きとしていて、聞く人に違和感を与えない。 「キングオブコント」などの賞レース番組で浜田が「結果発表!」と大きい声で叫ぶのは、もはや一種のギャグのように扱われているが、ああいう決めフレーズを本当の意味で「決められる」のは、浜田のような選ばれた人間だけである。  司会者としての浜田のもう1つの魅力は、良い意味での緊張感があることだ。ダウンタウンの番組の現場は厳しい、というのは多くの出演者やスタッフが共通して口にすることだ。進行役の浜田が、人一倍段取りの良さを気にする人間なので、スタッフは何重にも先回りして準備をして、一切の落ち度のない進行を心がけている。その雰囲気は現場にいる共演者も伝わる。  だからこそ、本番ではスムーズに番組が進められ、盛り上がりを見せる。スタッフや出演者の全員が浜田を船頭として一緒に船を漕いでいる。その一体感は番組を見ているだけでも伝わってくる。  司会をしているときの浜田は感情表現が豊かで喜怒哀楽が激しい。ときには厳しい言葉でツッコむこともあるし、大口を開けて笑うこともある。彼自身が誰よりもその場を楽しんで、率先して良い空気を作ろうとしている。視聴者もそこに自然に引き寄せられていくのだろう。  休養が短い期間で済んだのは、彼のファンにとっては幸いだった。稀代の天才司会者の活躍ぶりを今後も楽しみにしている。 ラリー遠田 1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。 デイリー新潮編集部

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