長年、議論が行われている‟リニア問題”が大きく前進です。静岡県の専門部会が開かれ、懸案だった「大井川の水問題」についての議論がすべて‟完了”しました。 （森下部会長） 「（田代ダム案について）一定のリスク管理がなされるものと技術的に確認しました」 6月2日に開かれた、リニア問題について議論する「県の専門部会」。県とJR東海の間ではこれまで”対話を必要とする項目”として「水資源」「生物多様性」「トンネル発生土」の3分野、計28項目について議論が行われてきました。2日の会議では、6項目のうち4項目で対話が完了している「大井川の水資源」が議題となりましたが、そもそも、この‟水問題”が議論の的となったのは今から8年前…。 （2017年11月当時　川勝知事） 「工事そのものについて、これほどの認識不足で工事をしているのかと思っている」 当時、リニア新幹線のトンネル工事により、「大井川の流量が最大で毎秒2トン減る」と試算していたJR東海に対し、川勝前知事が「県外に流れ出る大井川の水すべてを戻すよう」に主張。その後J、R東海が、田代ダムから取水する量を抑えて大井川の水量を確保する「田代ダム案」を示し、国が仲介役として参加した「有識者会議」や「県の専門部会」の場で議論が重ねられてきました。 （平木 副知事） 「水資源について残った2項目について議論」 2日で20回目となった水資源などに関する県の専門部会では、「田代ダム案について不測の事態が起きた際の対応」や、JR東海から「モニタリング」の監視体制やデータの公表方法について説明があり、出席した委員は「科学的根拠に基づく」として了承しました。これにより、「水資源」に関するすべての対話が完了しました。県の専門部会では、今後、対話が完了していない環境への影響を話し合う「生物多様性」の14項目と工事で出る「トンネル発生土」の4項目について議論が行われていきます。会議終了後、平木副知事は…。 （平木 副知事） 「水資源に関しての対話が終了したのは大きなこと」「工事着工は前提として28項目すべてを終了することが重要。水資源と生物多様性と発生土。水資源は、おおむね完了した、残る二つ」 一方、JR東海の担当者は「早期着工に向けて、引き続き丁寧に取り組んでいく」と話しました。長年、議論が続いていた「水問題」に終止符が打たれ、残りの課題解決にも丁寧な議論とスピード感が求められています。