「私はロボットではありません」押したら危険?恐怖のウイルス感染

前編記事『「スマホを安易に修理に出すな」相次ぐ証券口座乗っ取り、いつのまにか個人情報を盗まれる「意外な流出経路」』より続く。 情報を奪って姿を消すウイルスも 「怪しいSMSには一切触れていないし、修理にも出していないのに、証券口座を乗っ取られていた……」 そんな場合、まず疑われるのが「マルウェア」と呼ばれる、コンピューターウイルスの感染だ。もし何らかの形で自身のスマホやパソコンに侵入すると、悪意あるプログラムが作動。内部データの破損や漏洩を引き起こす。 そんなマルウェアの中でも、「感染したことすら気付かない『インフォスティーラー(情報窃取型マルウェア)』が広がっています」と指摘するのは、サイバーセキュリティを扱うマクニカ社の瀬治山豊氏だ。 インフォスティーラーの感染経路は、ウェブサイトやメールなど様々。たとえば、普段ウェブでよく見かける〈あなたは人間ですか?/私はロボットではありません〉というチェック画面の「偽物」が確認されている。これを誤ってクリックすると、〈この操作をしてください〉と次々に誘導されていく。知らず知らずのうちに、ユーザーはインフォスティーラーに感染してしまっている、という仕組みだ。 口座乗っ取りを防ぐために追加認証設定を 瀬治山氏は言う。 「一度感染すると、ブラウザの自動入力機能などに保存されている、あらゆるサイトのID・パスワード閲覧履歴、クレジットカード情報などを根こそぎ抜き取ってしまいます。 さらに恐ろしいのは、情報窃取後、ウイルス自体が自動で消滅するタイプも確認されている点です。このため、気付かないうちに口座乗っ取りにつながる可能性があるというわけです」 マクニカ社の調査では、国内主要証券5社の口座情報だけで11万件がダークウェブ上に流通しており、インフォスティーラーによって集められた可能性が高いとしている。 はたして自衛策はあるのか。 「口座乗っ取りを防ぐには各証券会社が提供する追加認証の設定を行うこと。その上で、ブックマークからしかサイトにアクセスせず、メールやSMSのリンクは開かないなどアクセス方法を限定することが不可欠です。また、パスワード類はブラウザには保存せず、専用のパスワード管理ソフトを利用することをおすすめします」(瀬治山氏) スマホやパソコンは情報が凝縮された「宝庫」。奪われる前にできることから始めたい。 【こちらも読む】『「82歳の父」が闇バイトに手を出してとんでもない目に…!60代の息子が青ざめた「絶体絶命の大ピンチ」』 「週刊現代」2025年6月9日号より 【こちらも読む】まさか82歳の父が「闇バイト」に手を出していた…!“怪しい仕事”に高齢者が応募してしまう「切実な理由」

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