綾野剛が主演し、柴咲コウや亀梨和也らが共演する三池崇史監督作『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』より、綾野のインタビューや共演者たちが綾野について語る姿を、本編&メイキングを織り交ぜて収録した特別映像、新場面写真5点が解禁された。 【動画】役者“綾野剛”の溢れる魅力の数々『でっちあげ』コメント映像 本作は、第6回新潮ドキュメント賞を受賞した福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫)を、三池崇史監督のメガホンで映画化。 この度、綾野のインタビューや共演者たちが綾野の魅力を語る姿を、本編&メイキングを織り交ぜて収録した特別映像が解禁。 綾野は、演じた薮下誠一を「答えがすごく多い人」と表現。「小学校の先生のイメージは時代ごとに更新されている」と前置きした上で、「2003年という時代を目で見えるもので代表的に表現してしまうと、人物像はなかなか見えてこない。だから、その人の生活にどれだけなじんでいるか(=印象に残らなくていい)ということを意識しました」と、役柄への向き合い方を明かす。 続いて、共演俳優陣が綾野について語る姿が。薮下を告発する保護者・氷室律子を演じた柴咲は「お芝居に誠実な人で、一つ一つのディティールをきちんと捉えて、どう表現するべきかを常に考えている役者さんだなと思いました」とコメント。薮下への直接取材を敢行しながら世間に報道した週刊誌記者・鳴海三千彦役の亀梨和也は「“生きている現場”を、圧倒的に綾野さんから感じさせてもらいました」と振り返る。 薮下を支える妻・希美役の木村文乃は「セリフのやり取りから、想像をはるかに超えた誠一さんで来るから、そこにチューニングを合わせに行く作業が大変でもあったし、お芝居ってこういうことだなと思いました。台本に書いていない部分のふくらませ方が、すごくて」と、芝居に取り組む姿勢に感銘を受けた様子。自宅でのシーンでは、精神的に追い詰められていく薮下がリアルに映し出される。我を失いどんどん壊れていく薮下と、そばで見守り、支え、声をかける妻のやり取りは、観る者の想像をはるかに超えていく。 体罰の訴えや報道への対応に追われる校長・段田重春役の光石研は「アドリブは決してないんですけど、ちょっとした目線の動きとか台詞の間尺、相手を食う感じを、音から拾っているのかなと感じました」と、演技の印象を明かした。 律子側の弁護士・大和紀夫役の北村一輝は「言い方や表情、服装ではなく、根っこの部分でお芝居をしているように思いました。薮下をどう作るかじゃなくて、“薮下になる”という感じなんです。他の作品とも別人だし普段の姿とも違う。現場では、綾野剛ではなく薮下としていました」と評し、真摯に作品に対して向き合う部分を「僕と一緒ですね…そこカットしないでくださいね(笑)」とユーモラスに語った。 そして、薮下の依頼を引き受ける唯一の弁護士・湯上谷年雄を演じ、数々の作品で共演経験のある小林薫は、かつて「青年というイメージ」だった綾野の今作での印象を「声高に演技していくというよりも、何かを抱えた揺れる人をやりたいのかなと感じました。(薮下の)逡巡する想いに身を置いて演技しているように思いました」と明かし、円熟ぶりを実感した様子。綾野と小林が共演したシーンでは、薮下の表情やふるまいから、心の中の揺れる感情がにじみ出ている。 最後は綾野が、本作を届けるにあたっての思いを吐露。「映画館で誰の時間を生きるかによって、この作品の見方が大きく変わると思います。誰の時間と共に過ごすかによって、感じ方も匂いも変わる。だから、いろんな人たちの時間を多様に生きてほしいです。それができるのが、映画だと思います。だからエンタメなんだと思います。観終わった後、自分の1秒をこれからどう生きていこうか、そういったことを感じてもらえたら、これ以上の幸せはないかなと思っていますね」と呼びかけて締めくくっている。 今回新たに解禁された場面写真は、特別映像でコメントを寄せたキャストたちと綾野を捉えたシーンカット5点。薮下を自宅まで追いかける鳴海。強い言葉で問い詰めるその執拗さに、薮下は恐怖を感じ怯えている。段田校長は、報道された週刊誌の記事を見て、苦い表情を浮かべている。雨が降りしきる中、傘を持たずにたたずむ湯上谷弁護士の姿は、薮下の行く末を懸念しているかのようだ。 一方で、550人もの大弁護団を率いる大和弁護士は、一点を見つめたままの律子のそばで、冷静に裁判を進める。そして、証言台に立つ薮下。世間からの風当たりが強い中、すべては事実無根だとして完全否認を続けるが、その結末は…。複雑に交差する人間模様と、物語の様々な一面がうかがえる場面写真となっている。 映画『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』は、6月27日より全国公開。