LGBTQの10代の人で、過去1年間に自殺を考えたことがある人は2人に1人以上、自殺未遂の経験がある人は、およそ5人に1人だという調査結果が明らかになりました。 ■過去1年に自殺を考えたことのあるLGBTQ10代は2人に1人… 認定NPO法人ReBitがことし2月から3月に実施したのは、LGBTQのこども・若者およそ5000人に対するアンケート調査です。 調査によると、過去1年間に自殺を考えたことがあるという10代の人は、53.9パーセントで2人に1人以上で、自殺未遂を経験したという10代という人は、19.6パーセントとおよそ5人に1人にのぼっています。また、今回の結果を、LGBTQではない10代のこどもも含めた別の調査と比較すると、およそ3倍となっていて、LGBTQのこどもがより悩みを抱えていることが明らかになったということです。 ■なぜ多い？自殺考えるLGBTQのこどもたち 今回の調査では、セクシュアリティーについて、安心して相談できる場所がないと答えた10代がおよそ4割いることも明らかになりました。 担任の先生に安心して相談できないという人は9割以上で、「相談できると思えなかった」「どのように伝えていいのか分からなかった」などが理由だったということです。 さらに学校に行きたくないと感じた中高生が58.2％にのぼり、不登校の経験についても、中学生の2割、高校生の1割があると答え、LGBTQではないという人も含む別の中高生の調査より、3倍から4倍程度多くなっていました。 また保護者との関係で、困難を経験しているこども・若者もおよそ9割いたことが明らかになっています。 ■こどもが安心して過ごせる支援体制を 調査を実施した認定NPO法人ReBit（りビット）の藥師実芳（やくし みか）代表理事は、幼少期から性別に違和感を持ちながら誰にも相談できずに、17歳で自殺未遂をしたことがある当事者です。 藥師代表理事は、自身の経験を踏まえて、「私たちの世代と同じように今の子も死にたいと思っている。この現状を変えられていないことを重く受け止めている。現状を変えていきたい」と訴えました。また、LGBTQのこどもたちが安心して利用できる居場所、相談支援機関の拡充が急務であるほか、こどもたちを見守る教員や保護者がLGBTQについての理解を深めることができる仕組みが必要であるとしています。 ■LGBTQの人向けの専用相談窓口も いま、つらさや生きづらさを感じているという方には、「24時間対応の電話」や「LINE」などで相談できるところもあります。 【LINE友だち追加で相談】「生きづらびっと」「こころのほっとチャット」 【セクシュアルマイノリティ専門相談窓口】よりそいホットライン■電話相談窓口(24時間対応) 0120ー279ー338 ■24時間書き込めるチャット(返答は月・金・日16時〜22時) https://form.comarigoto.jp/sexual_minority