兵庫県の斎藤元彦知事を巡る内部告発問題で、県議会百条委員会の元委員長、奥谷謙一県議（３９）に関する虚偽の投稿をしたなどとして、県警は４日、政治団体「ＮＨＫ党」の立花孝志党首（５７）を名誉毀損（きそん）と脅迫、威力業務妨害の容疑で神戸地検に書類送検した。 　捜査関係者によると、刑事処分の判断を地検に委ねる「相当処分」の意見を付けた。地検は刑事責任を追及するかどうかを慎重に判断する。 　奥谷氏は昨年１１月下旬、名誉毀損容疑で立花氏を刑事告訴。告訴状では、立花氏は同１０月３１日〜１１月１９日、内部告発者の前県西播磨県民局長が死亡した原因を奥谷氏が隠蔽（いんぺい）したなどとする虚偽の内容をＸ（旧ツイッター）やユーチューブに投稿し、奥谷氏の名誉を傷つけたとしている。 　また、立花氏は県知事選期間中の同１１月３日、奥谷氏の自宅兼事務所前で街頭演説し、「出てこい奥谷」と声を上げ、インターホンを押したうえ、「あんまり脅しても自死されても困るのでこれくらいにしておく」などと発言。この行為について、奥谷氏は脅迫と威力業務妨害の両容疑で被害届を県警に提出していた。 　捜査関係者によると、立花氏は任意聴取にいずれの容疑も否認していた。今後の捜査の焦点は主に▽名誉毀損罪の場合、投稿内容が真実もしくは真実と信じる相当な理由があったかどうか▽脅迫罪の場合、相手に恐怖心を抱かせるような発言の有無——の２点となる。 　立花氏は４日、新たなユーチューブ動画を投稿し、奥谷氏に関する投稿は「真実相当性がある」として名誉毀損に当たらないと説明。街頭演説について「通常の人が恐怖を感じるような内容ではなかった」と述べた。 　地検は、立花氏が投稿内容の情報源は県議らだと主張していることや、危害を加える旨の明確な発言がないことなどを踏まえ、慎重に判断するとみられる。 　書類送検を受け、奥谷氏は「引き続き推移を見守りたい」とのコメントを出した。 　立花氏は今夏の参院選兵庫選挙区（改選定数３）に立候補する意向を表明している。