戦後80年の節目にあたり、天皇皇后両陛下と長女の愛子さまが4日から沖縄県を訪れ、戦没者を慰霊されています。愛子さまが沖縄を訪問されるのは初めてです。 　　　◇ 4日夜、提灯を持った多くの人々が集まった沖縄県那覇市のホテル。人々の先で揺れる、3つの提灯。ホテルの中から振られていたのは、天皇皇后両陛下と愛子さまです。 「めっちゃきれいだった！」 「天皇さま皇后さま愛子さまに会いたいなって。幻想的で気持ちがあたたまりました」 　　　◇ 80年前、激しい地上戦で戦火に包まれた島。多くの人々が眠る沖縄の地を、両陛下と愛子さまが訪問されました。 4日と5日の2日間で、戦没者の慰霊をされるご一家。命を落とした人々の遺骨が納められた納骨堂の前に、テッポウユリやトルコギキョウの花を供えられました。 その後、出迎えた一人ひとりに声をかけられます。それは、沖縄戦を体験した人々やその遺族でした。 1945年、太平洋戦争末期。本土防衛の盾とされ、アメリカ軍との地上戦で、多くの住民たちが巻き込まれた沖縄。民間人と軍人あわせて約20万人が命を落としました。 “沖縄の地と皆さんに心を寄せていきたい”。こう考えられているという両陛下。 沖縄訪問は2022年以来、即位後2度目。愛子さまは初めてです。 沖縄戦の犠牲者など24万人の名前が刻まれた「平和の礎（いしじ）」。先月、新たに設置された戦没者の名前が加えられた「刻銘板」の前で、愛子さまは両陛下と共に真剣なまなざしで、説明に耳を傾けられます。 その後、沖縄戦の歴史などが展示された「沖縄県平和祈念資料館」へ。戦争体験者の悲痛な証言集を見ながら、何度もうなずかれていました。 愛子さま 「すごく壮絶な、生きていくためにこういう選択をしなければいけないという」 戦争体験者や戦没者遺族、そして20代と若い世代の語り部たちとも続いて懇談されました。 沖縄の歴史を若い世代に語り継ぎ、平和を大切にする心が育まれることを大切だと考えられている両陛下。 皇室が沖縄を理解するために大切な役割を果たしてきたのが、「豆記者」たちです。沖縄と本土の小中学生が、お互いの歴史や文化を学ぶ「豆記者交歓会」。 上皇ご夫妻の時代から始まり、両陛下へと受け継がれ、愛子さまも2歳の時に初めて同席されました。中学3年の時には同世代の「豆記者」たちと交流。さまざまな質問をされたといいます。 その時、中学1年生の「豆記者」だった金城さん。当時、書いた新聞には…。 金城さんの新聞 「平安時代が好きだと伝えると、愛子内親王殿下も平安時代が好きだと知り嬉しくなりました」 そして4日、9年ぶりの再会。 当時の「豆記者」金城若葉さん（22） 「あの頃のまますごくやわらかくて、来た瞬間に包み込んでくれるようなオーラを感じて。こんなにも沖縄のことを思ってくれて長く続けてくれていることに本当にありがたいなと」 上皇ご夫妻から戦時中の話を聞くなど、戦争と平和について学ばれてきた愛子さま。 忘れてはいけない歴史。継承していかなければならない記憶。 両陛下と23歳の愛子さまは、5日も沖縄で戦争と向き合われます。 （6月4日放送『news zero』より）