【テヘラン＝吉形祐司】イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は４日、首都テヘランで演説し、核開発を巡る米国の提案に対し「我々の原則に１００％反する」と拒絶する方針を表明した。 米国が完全放棄を迫るウラン濃縮は断念しない姿勢を改めて示した。 演説は、初代最高指導者ルホラ・ホメイニ師の没後３６年の追悼式で行われた。ハメネイ師は、ホメイニ師が先進国依存からの脱却を説いた言葉を引用し、「原子力発電所の燃料を他国に依存すれば、物乞いになる」と断言した。ウラン濃縮の放棄を迫る米国については「自分を何様だと思っているのか。余計なお世話だ」と非難した。 ハメネイ師は４月に始まった米国との高官協議の打ち切りには踏み込まなかった。協議継続は容認するとみられる。 米ニュースサイト・アクシオスが２日に報じた米国の提案には、上限３％のウラン濃縮を一定期間認め、中東域内でウラン濃縮の製造を担う共同企業体を設立する案が含まれるとされる。 イランのアッバス・アラグチ外相は５月、ウランの濃縮度を制限できると明言し、共同事業体への参加に関心を示していた。米国の提案に関しては今月３日、近く回答すると明らかにした。
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