介護施設の前で職員の女性が男に刺された事件で、女性の交際相手だという男性が容疑者について、「別れているがしつこい」とトラブルを示唆していたことが分かりました。 ◇ 容疑者の父親 「けさ、隣の人が新聞持ってきて『載ってるよ』。これうちの息子のことだなと」 息子は事件直前、次のように語っていたといいます。 容疑者の父親 「(息子に)電話入れたら『女性の人と待ち伏せして会う』『なんとしても話をしたい』と」 47歳の息子が向かったとみられるのが、自宅から数キロ離れた介護老人保健施設。ここで働く49歳の女性を待ち伏せていたとみられます。 警察によると、4日午後7時ごろに「男が女性を刺している」との通報が入ったということです。 包丁で首や背中を複数回刺された女性は一時、意識不明になったといいます。 施設の事務長 「男性ともめているところを同僚の職員が見つけた。夜勤者に応援を要請して、男性職員が(男を)取り押さえた。ドクターもいたので、応急処置、止血などはしたと聞いた」 殺人未遂の疑いで岸耕一容疑者が現行犯逮捕されました。 岸容疑者 「殺そうと思って切りつけた」 当時、周辺には… 近所の住民 「(隣人が)騒いでる声は聞こえたと」 ——声は男性? 女性? 近所の住民 「両方だと言っていた。尋常じゃないケンカの声だったと」 父親によると、岸容疑者と女性は交際していたといいます。 岸容疑者の父親 「10年間くらい付き合っていました。家にも来たり交流していた。趣味が合ってたんだと思う。カラオケ行ったり、歌うたったり、コンサート行ったり」 ——仲良くやっている感じ? 岸容疑者の父親 「そう見守っていた。息子はすごく優しいタイプ。女性と今までもうまくいっていた」 しかし、半年ほど前から2人の関係が悪化。 岸容疑者の父親 「別れ話がもつれていまして、(息子が)『無視されている』『分かってくれない』とか」 ——何について「分かってくれない」、何についてこじれている? 岸容疑者の父親 「それは分からない。(息子は)『相手の気持ちが聞けない』と悩んでいた。『(どうして)拒否するんだろう』と。今まで何度も話はしているけど向こう(女性)も会おうとしなかった」 女性は1か月ほど前から、別の人と交際していたとみられます。現在の交際相手だという男性に話を聞きました。 女性の今の“交際相手” 「(女性と)お付き合いしています。(女性が)帰って来ないからおかしいなと思って行った。おまわりさんがいて入れない状態。会社まで送ったりしていた。たまたま(4日の)夜迎えに行けなかったので、その時に事件があった」 「(岸容疑者とは)別れているけど、しつこいことはやってきた。(岸容疑者から)『またお付き合いをしてもらいたい』と電話があったと聞いている」 警察によると、女性からストーカー被害などの相談はなかったといいますが。直接、話したかったのでしょうか。 岸容疑者は4日夕方、自宅を出ました。 容疑者の父親 「『車の空気圧を見てくる』『抜けちゃってる』と、『頼むよ』ということで。帰って来ないんですよ。息子の車もあるけど(女性に)分かっちゃうから、私の車で行ったんだと思う」 なかなか帰って来ない息子。父親は事件発生のおよそ20分前、電話をかけました。 岸容疑者の父親 「(電話は)午後6時50分ですね。『どこ行ってるんだ』と言ったら、『待ってるんだ』と。会おうとして、なんとか話をしようと思って、行ったんだと思う。全部がいろいろと積もり積もって、ストレスがたまっちゃって、どうにもならなくなったのか。ブレーキがきかなくなったんでしょうね」 「うちの息子がカッとして、相手方には本当に申し訳ない。命だけは助かってほしいと切に願っている」 調べに対し、容疑を認めているという岸容疑者。警察は、事件の経緯を詳しく調べています。