コメの価格高騰の原因を検証する関係閣僚会議が、5日はじめて行われました。その気になるコメの価格ですが全国各地を取材すると大きな地域差が浮き彫りとなりました。 高値が続くコメ。なぜ価格が高騰しているのか。 その原因や流通ルートの課題特定に向け、5日、石破首相をトップとするはじめての関係閣僚会議が開かれました。 （石破首相） 「コメの価格高騰の要因や対応の検証を行うこと、検証を踏まえた短期と中長期の対応策を検討することを進めてください」 閣僚会議後、小泉農水相はコメ高騰の要因の一つとして、流通ルートが複雑であることをあげ、詳しく分析していく考えを示しました。 （小泉農水相） 「今までの流通の全てを1回総ざらいをして、あり方を見ていくという方向性が私は不可欠なのではないかなと思う」 気になるコメの価格。全国のスーパーを取材すると大きな地域差があることがわかりました。 これは全国有数のコメの産地･宮城県内にあるスーパー。 （宮城のスーパーの店長） 「こちらがコメ売り場になります」 並んでいたのは地元宮城県産のコメ。 （スーパーの店長） Q.銘柄米はいくらで売られていますか？ 「1袋3980円です」 直近の、全国のスーパーでのコメの平均価格は4260円ですが、こちらの店舗では4298円と40円ほど高い価格に。それでも…。 （スーパーの店長） 「全国に比べるとまだ値段はそこまで上がっていない。コメの生産地、生産している方が多いということで、コメの全体の流通量が多いのが1番の要因かなと」 店頭からコメがなくなるようなコメ不足感も起きていないといいます。 （買い物客･50代） 「東北の人は良かったと思っています。東京や関東のニュースを見てると高いと思っている。産地なのはありがたい」 一方で、神奈川県内のスーパーを訪ねると。 （記者） 「5キロの銘柄米はすべて5000円を超えています」 一番高いもので5606円と、さらに高い価格に。輸送費に加え、都市部では土地の賃借料や人件費など事業にかかる経費が高い分コメの価格も高いのです。 （澤井 志帆 キャスター） 「静岡県内のスーパーにやってまいりました。こちらの店では、実際にどのような価格でコメが販売されているのか取材してきます」 この「スーパー田子重セナ店は6日がコメの入荷日。その価格は…。 （澤井 志帆 キャスター） 「コメ売り場ありました。価格は北海道産米で税抜き4680円 。一方で静岡県産こしひかりは3880円と4000円を切っています」 全国のスーパーでのコメの平均価格は4260円ですが、静岡県産こしひかりは税込み4191円。ちなみに棚に並ぶ最も高い北海道産との価格の差は800円ほどです。人気はやはり静岡県内産。 （澤井 志帆 キャスター） 「ここに来てから30分ぐらいたちましたけど、かなりこの高さが低くなった気がするんですが」 （田子重セナ店　内記 寿治 店長） 「きょうの入荷分は大体いつも午前中では終わってしまいます。お昼ぐらいには終わってしまう」 コメの価格に客は…。 （客） 「もう一時期よりは高くなったなっていう印象がすごくある。安ければ安い方がありがたいとは思うが、やはり安全性だったり、あとは鮮度とかもいい方がいいかな」 （客） 「安定した価格になってほしいのと、農家さんが困るなら、そこはやはり両方をバランスよくやってもらえればありがたいなと思います」 コメの価格差について聞いてみると…。 　 （田子重セナ店　内記 寿治 店長） 「銘柄米といわれるのもありますし、あとは輸送費も関係し、他県米は若干値段が高くなっている」 売り場には、江藤前農水相の時に放出された備蓄米と銘柄米のブレンド米も販売されていて、価格は3867円でした。 その一方で、このようなデータも…。農林水産省が公表した銘柄米を除いた備蓄米を含むブレンド米価格の中央値です。全国で一番安いのは、北海道の「3215円」。一番高いのは、静岡県や三重県で「4280円」。備蓄米の流通量が少ないのが原因の一つといいますが、北海道とは1000円以上価格に差がある結果となっています。 また、注目される随意契約分の備蓄米について、「田子重」では400トンを契約確定したということです。 （田子重セナ店　内記 寿治 店長） 「銘柄米･ブレンド米と最初に放出した備蓄米の値段と、今後出てくる予定の“小泉米”の値段と、3つの価格ラインになりますので、お客様の選択肢で、お好きな銘柄もしくは自分の要望に合ったものを買っていただければなと思ってます」 一方、浜松市のこの店では新たな動きも…。 （カメラマン） 「こちらカルローズ米と書かれています。他のコメと比べて安いのでしょうか」 並んでいたのはアメリカ・カリフォルニア産の「カルローズ米」です。価格は4キロ 2894円。「お米が手に入りにくい」「価格が高く気軽に買えない」などの声から販売を決め、「イオン浜松市野店」では、おととい4日から取り扱っています。気になるのか、目の前で立ち止まる人も…。 （客） 「きょうは様子見という感じ、いくら安くてもあまりおいしくないとダメなので、その辺が気になる」 （客） 「昔アメリカに住んでいた時に、カルフォルニア米を買って食べていた。先月買ったらあまり変わらなかったので」 カルフォルニア米の購入を決めた人は…。 （客） 「備蓄米とかもまだ全然出てないから、少しでも安く買えればと思って、アメリカ産のおコメと日本米の半々のものがこれくらいの値段で出ていて、抵抗なく食べられたので、安ければ安い方がいいかな」 また、6日、小泉農水相から随意契約の備蓄米放出に関して新たな発言も…。 小泉農水相） 「今の見立てで言えば、6月の下旬から7月にかけて、今と比べても相当な量が世の中、市中に出回っていく」 また、備蓄米が全て放出された場合の対応について、「緊急輸入を含めあらゆる選択肢を持って迎えたい」と述べ、一時的に、外国産の安いコメを輸入する考えも示しました。その上で、「聖域なく、あらゆることを考え、コメ価格の安定を実現していく」と強調しました。高騰しているコメの価格に変化は出てくるのでしょうか。