大手脱毛サロン「ミュゼプラチナム」の運営会社が6日に会見を開き、「会社を解散する」と明らかにしました。負債総額は260億円にのぼるということです。 ◇ ミュゼプラチナム運営会社 高橋英樹社長 「極めて前向きな清算の場として、この場をもうけさせていただきました」 “前向きな清算の場”として6日に会見を開いたのは、大手脱毛サロン「ミュゼプラチナム」を運営するMPH株式会社。発表したのは、運営会社の解散です。 ミュゼプラチナム運営会社 高橋英樹社長 「令和7年6月2日付で株主総会決議により会社を解散することにいたしました」 負債総額が260億円ほどにのぼることを明らかにし、今後、清算の手続きを進めていくと話しました。 ◇ ミュゼプラチナムをめぐっては、今年3月から“経営体制の移行”として全国の店舗が休業していました。 そんな中、突如発表された解散。会社の「解散」とは、どういうことなのか。 梅田パートナーズ法律事務所・西村雄大弁護士によると、「会社の事業活動を停止し清算手続きに入ります」という“宣言”のようなもの。その清算方法の一つとして「破産」があるといいますが、会社側は…。 ミュゼプラチナム運営会社 高橋英樹社長 「破産の手続きにおいては店舗の運営再開ができなくなるため、未施術のサービス提供がかなわなくなり、お客様にとって大きな不利益が生じるおそれがございます」 利用者へのサービス継続を理由にあげ、破産はしない考えを示しました。 ただ、解散が決定された今、どうサービスの提供を行っていくのか。 ミュゼプラチナム運営会社 高橋英樹社長 「新たにフランチャイズ制度の導入がすでに開始されておりまして、同等の水準で施術をうけていただくことが可能」 ミュゼプラチナムにかわり、別会社で“どこでもミュゼ”というフランチャイズの店舗を営業していくといいます。 この新たな営業方法について、4回分の施術が残っているというミュゼ会員の女性は…。 4回分が未施術 ミュゼ会員 「不安やなって。いきなり別業態の話を進められても、戸惑いの気持ちと、(新店舗に)行っても安全に最後まで(施術を)してもらえる確証ない」 残った回数分、返金を希望しているといいますが…。 4回分が未施術 ミュゼ会員 「今回の騒動に関しての対応窓口を示したメールは届いてないので、どこに申し込んでお願いしたらいいのかわからない」 返金対応について運営会社は「協議中」「誠心誠意対応する」と述べるにとどめています。 ◇ 一方、ミュゼをめぐっては、従業員に対する給与の未払いも問題になっています。その額は約9億8000万円にのぼるといいます。 先月には、元従業員らが財産流失を防ぐため破産手続きを始めるよう東京地裁に申し立てを行っていました。 これに対し会社側は、破産でなく解散でも、未払い給与分の一部を国が立て替えて支払う制度を使えると強調。従業員が速やかに申請できるよう支援していくと話しました。 会社の解散は“未払い問題”解決の糸口となるのか。 企業の倒産や事業再生に詳しい 梅田パートナーズ法律事務所 西村雄大弁護士 「おそらくミュゼ側としては破産はしたくないが、従業員に未払賃金立替払制度を使ってほしいという考えがあったのではないか。従業員も未払い給料の一部を立て替えてもらえる可能性があります」 破産ではなく、解散を選んだ理由については。 企業の倒産や事業再生に詳しい 梅田パートナーズ法律事務所 西村雄大弁護士 「破産手続きだと、裁判所が選んだ破産管財人が全部公平に透明に手続きを進めていく。それに対して、解散して自分たちで清算するんだということであれば、自分たちである程度どういう清算をするか決める可能性がある。なので、こういうふうに清算したいという考えがあるのかもしれません」 ミュゼ側が、清算の方法などを早く明らかにすることが求められるということです。 (6月6日放送『news zero』より)