前編記事『シュガーフリー、プロテイン、ヨーグルトも注意……日本人の食べ物の4割を占める「超加工食品」で認知症、がん、うつ病に』より続く。 「スラッシュルール」を活用しよう 消費者問題研究所代表で食品問題評論家の垣田達哉氏がアドバイスする。 「商品を買うときは、『スラッシュルール』を活用することが大事です。商品の原材料名を見てください。含まれる割合の多い材料から順に並んでいますが、読点が途中でスラッシュ(/)に変わっている。このスラッシュより後の材料が添加物です。その種類が多いものは超加工食品だと認識しましょう」 超加工食品が様々な病気をもたらす要因の一つは、添加物の摂取と考えられているが、どのような添加物に気をつけるべきだろうか。 たとえば完全メシ カレーメシには、カラメル色素やリン酸塩(Na)など、朝のフレッシュ ハーフベーコン(伊藤ハム米久フーズ)にはリン酸塩(Na)や発色剤(亜硝酸Na)などが含まれる。 「様々な食品に使われているリン酸塩は、摂取し過ぎると健康への悪影響が心配されていますし、カラメル色素の中には発がん性物質が含まれると疑われるものもある。加工肉などの黒ずみを防ぐ目的で使用される亜硝酸Naも、体内で発がん性物質を生成すると言われています」(垣田氏) ハムやベーコンは、発色剤などを用いず塩漬けしたという意味の「無塩せき」と記されたものを選ぶと安心だ。 甘味料は発がん性の疑いが ゼロ シュガーフリーチョコレートには、スクラロースやアスパルテームのような甘味料が含まれている。 『新版「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物』の著者で、科学ジャーナリストの渡辺雄二氏が語る。 「合成甘味料のスクラロースは、ラットを使った実験で胸腺と脾臓のリンパ組織を萎縮させることがわかっており、リンパ球が減れば免疫力が低下しますから、ヒトでも免疫力低下が懸念されます。 また、メディアで盛んに宣伝されている低糖・低カロリータイプには、アスパルテームが入っていることが多い。これは発がん性の疑いがあると言われています」 実際、'23年にはWHO傘下の国際がん研究機関が、肝臓がんを引き起こす可能性を示した。 低糖質でタンパク質を摂取できると人気のザバス ヨーグルト(明治)には、スクラロースが含まれているが、オイコスヨーグルト(ダノンジャパン)には含まれていない。 同じような商品を選ぶ際には、何が含まれているかを比較して慎重に見極めたい。 浮気をして依存症を防ごう マンナンライフの蒟蒻畑には入っていないが、オリヒロのぷるんと蒟蒻ゼリーにはスクラロースとアセスルファムKが入っている。 「アセスルファムKも自然界にない化学合成物質で、'00年に使用が認められたばかり。体内で分解されないので0カロリーなのですが、犬に摂取させた実験では肝臓障害の際に増えるGPTが増加し、リンパ球の減少が認められた。ということは肝臓にダメージを与える可能性があります」 そう語る渡辺氏によると、明治ブルガリアヨーグルトの場合、プレーンは添加物を使っていない。だが、ブルーベリーミックスなどには天然甘味料のステビアが入っている。これは動物実験ではオスの精巣に悪影響を与える毒性が示された物質だ。 悪影響を及ぼすとわかっていてもやめられない……それは超加工食品に依存してしまうからだ。 「人間にとって甘み、塩分、脂肪それに添加物が揃っているものは、とても美味しく依存症になりやすい。'22年には米・ミシガン大学とバージニア工科大学の博士が、『確立された科学的基準に基づくと、高度に加工された食品は依存性のある物質だと考えられる』と題する論文を発表しました」(前出の大西氏) 短時間で食べやすいようにつくられているため、脳が満腹感を得る前に食べ過ぎてしまうこともある。私たちが自らの寿命を延ばすためにできることは何か。 「超加工食品を完全にやめることは現実的に難しいので、私はよく『食の浮気をしなさい』と言っています。同じものばかり食べると同じ添加物を大量摂取するリスクがある。時には違うメーカーの食品を食べる、たまには違うスーパーの商品を買う浮気をするだけで、リスク分散になります」(前出の垣田氏) 必ず原材料を確認し、特定の食品ばかりに依存しないこと。それが長寿につながる。 「週刊現代」2025年6月9日号より シュガーフリー、プロテイン、ヨーグルトも注意……日本人の食べ物の4割を占める「超加工食品」で認知症、がん、うつ病に