『ダウンタウンチャンネル』の配信開始で気になる『ガキ使』の存続…いまテレビ業界が「もっとも恐れている事態」

休養から約3ヵ月でついに本格復帰 6月1日夜、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』(日本テレビ系)が放送された。この日の放送は「浜田雅功が復活!ジジ抜きでいきなり体張り?」。3月10日の体調不良による一時休養から復帰後、初の収録であり、その姿に注目が集まった。 浜田はボケるココリコ・田中直樹をはたき、ライセンス・井本貴史へのケツバットでフルスイングし、最後は「トイレのスッポンで号泣の芝居」という罰ゲームを受けるなど、休養前以上に元気な姿を披露。取り立てて復活のあいさつをしないところが浜田らしく、この番組らしくもあった。 さらに4日の『水曜日のダウンタウン』(TBS系)にも復帰出演し、これまでと変わらぬ司会ぶりを披露。浜田は5月29日の『プレバト!!』(MBS・TBS系)、同30日の『ハマダ歌謡祭』(TBS系)などでも元気いっぱいの姿を見せていた。 ゴールデンウィーク中のラジオ出演で活動再開していたが、やはり主戦場はテレビ。復帰が報じられるたびに歓迎の声があがっているが、今後はどんなことが起きそうなのか。現在、業界内でささやかれているコメントを交えて掘り下げていく。 徐々に進みそうな出演番組の仕分け 業界内で「ほどなく行われるのではないか」と噂されているのは出演番組の仕分け。再度の体調不良を避けるべく、「負担軽減はマスト」と言われている。 その筆頭が放送32年の長寿番組『ダウンタウンDX』(読売テレビ・日本テレビ系)。浜田の復帰が未発表であるにもかかわらず、すでに6月26日での番組終了が公表されている。春・秋の番組改編期ではないタイミングでの終了に各所から「潮時」という声が聞こえてきた。 同番組はかなり前から低視聴率が読売テレビ以上に日本テレビから問題視されていたが、そこに「ダウンタウンからの意向が加わって終了が決まった」とみられている。ただ、最後の放送で浜田は復帰出演するのか。本当に活動休止中の松本人志が不在のまま番組を終わらせていいのか。波乱含みのフィナーレが予想されている。 それ以外の番組に目を向けると、まず浜田の単独出演で「無風」と言われているのが、『プレバト!!』『オオカミ少年 ハマダ歌謡祭』。浜田、放送局の双方にとって重要な番組であり、前者は長年結果を出し続けており、後者は現在の時流に合う音楽バラエティだけに、「もし今これを終わらせるとしたら、浜田の体調不安くらいではないか」などと言われている。 また、『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)も、「浜田とスポーツや五輪などのビッグイベントをつなぐ」「中居正広氏の引退でフジにおけるスポーツの顔は浜田のみ」という点で続けられるべき番組というポジション。深夜帯の『浜ちゃんが!』(読売テレビ・日本テレビ系)、土曜昼でほぼ西日本のみ放送の『ごぶごぶ』(MBS・TBS系)は、ともに放送20年に迫る番組だが、今後は浜田の気持ちと体調次第と見られている。 ライフワーク、在阪局との関係性などの点で浜田がどんな決断を下していくのか。ただ、ある在阪局のテレビマンは、「浜田さんの性格上、一時休養のあとしばらくの間は辞めたくないのでは」と言っていた。 『ダウンタウンチャンネル』次第か 次に業界内で見方が分かれているのは、ダウンタウンの冠番組。『ダウンタウンDX』の終了は業界関係者の大半が予想していたことだったが、『水曜日のダウンタウン』と『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』は松本人志のテレビ復帰が見えない今なお「終了は考えづらい」と言われている。 両番組に関してはデリケートな問題のため番組関係者に話を聞こうとしても答えてもらえないのだが、TBSと日本テレビの局員にオフレコを条件に聞くと、「番組の終了も番組名の変更もないと思う」「『ダウンタウンチャンネル』(仮)がはじまってから判断するしかないのでは」などと言っていた。 その『ダウンタウンチャンネル』(仮)とは今夏のスタートが有力視されている配信番組。自由度の高い定額制のネット番組である上に、吉本興行が昨年12月に資金調達のファンドを設立するなど、ダウンタウンのスキルを存分に発揮できる環境が整いつつあるが、多忙な浜田がどの程度出演するのか。 さらに、吉本興業の芸人だけでなく他事務所の芸能人たちがどの程度出演するのか。各局のテレビマンたちは戦々恐々としている一方で、「これが好評だったら『やっぱりテレビでも松本人志が見たい』というムードになり、復帰を後押しするのでは」とみなす声もある。もちろん「松本がテレビ復帰をどの程度望むのか」は重要だが、テレビ局としては身動きが取りづらい状態が続いていることは確かだ。 ちなみに『ダウンタウンチャンネル』は、ダウンタウンの漫才という切り札があるだけでなく、松本人志がAmazonプライム・ビデオで手がけた『ドキュメンタル』『FREEZE』が世界でも評価されたという実績は大きい。また、地上波では実現しづらい盟友・ウッチャンナンチャンとの再共演なども期待できるだけに、業界内では「失敗は考えられない」とまで言われている。 「昭和司会者」思わせる唯一のMC 『ダウンタウンチャンネル』に関してもう1つ、テレビマンたちが「はじまってみないとわからない」と様子見にならざるを得ないのは、浜田が配信コンテンツとの向き合い方を変えるのか。これまで浜田が出演した主な配信コンテンツは『戦闘車』(Amazonプライム・ビデオ)と『浜ちゃん後輩と行く』(FANYチャンネル)程度に留まっていた。 しかし、『ダウンタウンチャンネル』のスタートで、テレビのような制約がなく、より後輩芸人たちを生かしやすいなど、浜田が配信のよさを体感する可能性があるだけに、「はじまってみないとわからない」のだろう。浜田がテレビから完全撤退することはなくても、「今夏以降、徐々に減らしていくのではないか」と不安視するのも無理はなく、テレビとネットの出演バランスがどう変わっていくのか。もしかしたら本人ですらわからないのかもしれない。 ここ数日間で4人の業界関係者と「浜田雅功の復帰」について会話を交わしたが、そのうち3人の意見が完全に一致していた。その一致した意見とは、「けっきょく浜田雅功の代役は誰もできないことがわかった」こと。 浜田が一時休養中、東野幸治、今田耕司、千原ジュニア、田村淳、千鳥、かまいたち、川島明、ブラックマヨネーズ、フットボールアワー、陣内智則らがそつなく代役をこなし、番組としては一定の盛り上がりがあった。まさに「“吉本興業のオールスター”で乗り切った」こともあって、少なくとも「浜田がいないと成立しない」ということはなかったのだが、一方で彼らは「どこか物足りなさがある」「やや薄味に見える」というニュアンスを感じたのではないか。 平成中期あたりから「“番組の顔”は不要」「企画で勝負すべき」などとみなされ、MCは穏やかな安心・安全タイプばかりに変わっていった。その中で浜田だけは大橋巨泉、愛川欽也、萩本欽一、関口宏ら昭和の大物司会者を思わせる強烈な存在感をキープ。「番組の象徴」として君臨し、その一挙手一投足が注目を集める唯一無二のMCとなっていた。特に「怒らせてはいけない」という緊張と、「笑うと安心する」という緩和のコントラストが浜田のMCが支持される理由の1つだろう。 スタッフにも共通する緊張と緩和 さらに、その緊張と緩和を感じるのは視聴者や出演者だけでなくスタッフも同様。浜田は進行や段取り、台本の構成などに厳しく、鋭い眼光や仕草から心境を察し、「それいるか?」と言われたスタッフの中には震え上がってしまう人が少なくない。 しかし、収録を終えたときの浜田は優しく、それを重ねていくほど信頼を寄せてくれる。そんな緊張と緩和があるからこそ現場の空気は引き締まり、いい番組ができるだけでなく、収録時間も短いなどのメリットも得られるという。 だからこそ今回のような短期の代役は可能でも、MCの交代は難しいと見られているのではないか。すでに業界内で「もっと大切にしなきゃ」という声があがっているように、収録におけるこれまで以上の配慮が行われていくのだろう。 とはいえ、腫れ物扱いを嫌う浜田の性格を踏まえると、求められるのは、さりげない配慮。62歳という年齢もあって、今後もテレビで浜田雅功のMCを続けていくためには、スタッフ側のケアがこれまで以上に必要なのかもしれない。 テレビ業界として避けたいのは、『キングオブコント』(TBS系)や『芸能人格付けチェック』(ABC・テレビ朝日系)などの「単発特番のみでしかそのMCが見られない」という事態。間違いなくテレビ業界の損失であり、局の垣根を越えてケアしていくことで、それだけは避けたいところだ。 【さらに読む】『ダウンタウンDX』が6月で終了…!松ちゃんの地上波復帰は不可能だから…浜田雅功が「コンビの冠番組」の打ち切りに合意した「納得の理由」

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