大阪教育大学附属池田小学校殺傷事件から24年、「祈りと誓いの集い」での児童代表の言葉は次の通り。 ・・・・・・・・ ■24年前の今日、この学校でつらく悲しい事件が起こりました。二度とあのような事件を起こさないために、先生たちは不審者対応訓練に本気で取り組み、もしものことを考えて私たち子どもが安全・安心に生活することができるようにしています。 安全科の授業では、危険を知り、その危険に備えること、日常生活に生かすことを考えます。安全科を通して今、私が安全のために意識していることは2つあります。 1つ目は、来校された大人の方にあいさつをし、不自然な行動をしていないか確認することです。あいさつは登下校中にもできる取り組みです。例えば、同じ学校でなくても地域の顔見知りにあいさつすることで、非常時に助け合える可能性が高くなると思います。 2つ目は、安全な学校や安全な過ごし方について上級生から下級生に伝えていく取り組みです。例えば、学校探検では 6 年生が 2 年生に校内の危険な場所や安全設備について伝えます。下級生に 知ってもらうことで、いざという時に使えるようにすることが大切だと考えています。この取り組みを通して、互いに安全について意識することができ、校内の安全も高めることができます。また、下級生の質問に答えることで私たち上級生も改めて考え直したり、説明を工夫したりします。私は今後も上級生から下級生に伝えるということを続けていきたいと思います。そして伝えたことが家族や地域に広がっていくようにするために、これからも説明する力をつけていきます。そして悲しい事件を風化させることなく、様々な取り組みを次の世代に繋いでいくことが私たちの使命ではないでしょうか。 犠牲になった児童らの名前が刻まれた「祈りと誓いの塔」に献花する児童〈2025年6月8日 10時32分撮影 大阪府池田市〉 ■私は事件のことを、この学校に入学してから知りました。1 年生の安全科の授業で事件当時を知る前校長の眞田先生より実際に起こったことを聞き、「決して、自分に関係のない話ではない」と胸がしめつけられるような思いをしたことを今でも鮮明に覚えています。 私たちが毎日を過ごす校舎には、たくさんの方々の想いがこもっており、見守られています。例えば警備員さんの配置、先生方による登下校の見守り、保護者の方々による立ち当番、災害や緊急時にも対応することができるように非常ブザーのある校舎や避難訓練など、私たちが学校で安全に安心に生活を送ることができているのは、たくさんの方々が安全安心について考え、仕組みを作り、受け継いできたからです。その思いを私たちも受け継ぎ、周りの人に「安全・安心」の大切さについて発信していきたいと思います。 私が今思う安全・安心な社会とは、皆で共に生きる尊さを感じながら、一人一人が自分に今できることを考え、それを行動したり、声にしたりすることだと思います。そのことによって尊い命を守ることができると思います。そして、私は命を紡いでいく努力をし続けることをここに誓います。 ■私たちは、たくさんの方々の想いと支えに包まれて今を生きています。私は最高学年となり、改めて今まで守られていたことを感じ、尊い命を守るために自分に何ができるかを日々考え続けています。このように考え続けるようになったのは安全科のみならず、大切な人の命が失われるかもしれない、もう会えなくなるかもしれないという怖さを経験し、改めて大切な人の存在の大きさやこれまでどれだけ愛されてきたかを感じたからです。 今年、6 年生全員が SPS サポーターとして学校安全を推進していくこととなりました。学んできたことをもとに、より楽しい学校生活が送れるように、考え続けていることを実行していきたいです。 人は一人で生きているのではなく、多くの人々と支え合って生きています。そして、その一人は世界中にたった一人しかいません。私は、その個性ある人たちとそれぞれの存在を大切にして、お互いを認め合い、助け合うことが命を大切にするということだと考えています。 最後にたくさんの人に守られていることに感謝し、これからは自分がたくさんの人を守れる社会の一員となれるよう自分ができることを怠らず、光り輝く未来を実現していくことをここに誓います。 令和7年6月8日 児童代表(3名)