1943年の「日本軍」、その”知られざる物語”…! 山本五十六長官の「戦死」から米軍と「決死の戦い」に突き進んだ「日本海軍」の”白熱戦記”

太平洋戦争終結から今年で80年。優勢から守勢に転じた日本軍と、間髪入れず反攻作戦に転じた米軍を中心とした連合軍との間で行なわれた攻防戦の事実が、体験者の物故とともに過去の歴史として語られようとしている。そうした中にあって、米軍の反攻作戦に立ち向かう海軍航空部隊の戦いを克明に捉えた白熱の戦記『ラバウル航空撃滅』([空母瑞鶴戦史]ラバウル航空撃滅戦シリーズ第3巻、森史朗著、潮書房光人新社)が話題になっている。 1943年に戦死した山本五十六連合艦隊司令長官の後任として着任した古賀峯一大将が連合艦隊旗艦となった戦艦「武蔵」で陣頭指揮を執るが、「大和」などを中心とした水上艦による艦隊決戦を主張した将官として、航空戦が主体となっていた日米の攻防戦では指揮ぶりを危惧する声が上がっていた。数十年におよぶ取材に基づく作品の全容を、一部抜粋・再構成してお届けする。 古賀新長官を生み出した部内の「圧倒的な空気」 山本五十六連合艦隊司令長官戦死後の次期長官人事が一挙に決定した。すなわち軍令承行令の序列では、豊田副武大将と古賀峯一大将の二人が適任者だが、ほんらいは先任の豊田大将が選任されるはずが、人事権をもつ嶋田繁太郎海相はさっさと古賀大将を次期長官として選定してしまった。そして同日夜、臣官邸で任命式を断行した。 まさに強引ともいうべき海相人事だが、これには部内を支配する圧倒的な空気があった。つまり、豊田大将は海軍部内では少数派の海軍左派、すなわち“英米派”であり、大艦巨砲主義──戦艦第一主義の古賀大将のような艦隊派が次期長官にふさわしいと大勢が決していたのである。 古賀新長官は米海軍主力との決戦をマーシャル、ギルバート両群島方面に求めており、ここに戦艦「武蔵」「大和」などの連合艦隊主力を出動させ、一大艦隊決戦を挑むことを決意、早期決戦=和平交渉という前山本長官と同様の意志を実現させようとしていた。 しかし米軍を中心とした連合軍の反撃は留まることを知らず、反攻作戦は時間の問題となる。その戦力は、圧倒的な航空戦力の支援の下、陸、海、海兵隊とオーストリア、ニュージーランドによる大規模なものであった。 急務の飛行隊再建と一大航空消耗戦に備えた猛訓練 一方、内地に戻っていた瑞鶴は呉軍港を離れ、内海西部柱島沖に回航することになった。 瑞鶴以下の機動部隊はアリューシャンのアッツ島で戦う陸軍部隊の支援任務出撃に待機中であったが中止となり、トラック島に向け進撃した。 瑞鶴では野元艦長の後任として菊池朝三新艦長が着任する。空母鳳翔艦長を勤め、日華事変では九州からの中国大陸爆撃を実施するなど、日本海軍航空創設期からの先駆者であった。テキパキと出港準備の指示をはじめた菊池艦長の的確な指示で瑞鶴の巨体がゆるゆる動きはじめた。これで瑞鶴は新しい第一歩を踏み出したのである。 また瑞鶴では飛行隊の再建が急務となっていた。山本長官肝いりの「い」号作戦は成功とされていたが、搭乗員の損害が大きな問題となっていたからだ。最前線に復帰した瑞鶴はトラック島の春島飛行場などに飛行隊を進出、最前線に戻った瑞鶴の新艦爆隊長に着任した比良国清大尉も、九九式艦上爆撃機に搭乗して部下搭乗員とともに猛訓練を実施する。近い将来生起するであろう一大航空消耗戦にそなえて……。 【第二次大戦】米軍「山本五十六・謀殺計画」の“知られざる舞台裏”、生存者の証言と日米史料から浮かび上がる“壮絶すぎる真実”…!

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