【ロサンゼルス＝金子靖志、ワシントン＝阿部真司】米国のトランプ大統領による移民摘発強化に対するカリフォルニア州ロサンゼルスでの抗議デモは１１日までに少なくとも全米１５都市に広がった。 政権は軍の派遣をカリフォルニア以外の他州にも動員する強硬姿勢を示している。 「不当な弾圧には屈しない」。１１日もロサンゼルス中心部では数百人が、中南米出身の移民への連帯を示すため、メキシコなどの国旗を掲げて声を張り上げた。これまでに同市で拘束されたデモ参加者は約４００人に上る。 事態沈静化に向け、市は１０日に続き１１日も市中心部を対象に夜間外出禁止令を発令。だが、一部のデモ隊が午後８時を過ぎても抗議活動を強行した。２２０人以上が逮捕され、事態の収拾は見えていない。 １０日に２５００人以上が抗議デモに参加し、８０人超が逮捕されたニューヨークでは１１日にも大規模デモが起き、治安部隊と衝突した。イリノイ州シカゴでは１０日、数千人規模のデモがあった。ワシントン州スポケーンでは１１日に抗議デモが激化して３０人以上が逮捕され、市は同日、非常事態宣言を出し、外出禁止令を発令した。 ヘグセス米国防長官は１１日、軍の派遣について「他の地域にも拡大する可能性がある」と述べ、強硬姿勢で抗議デモに臨む姿勢を示した。トランプ氏も１１日、記者団に軍の動員を正当化した。ロスの一部地域では略奪行為が横行している中、市民の側に立つ存在と位置づけ、対立する民主党のカリフォルニア州知事らの対処能力が低いと印象付ける思惑がありそうだ。
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