【ニューデリー＝青木佐知子、ロンドン＝蒔田一彦】インド西部グジャラート州の中心都市アーメダバードで１２日午後１時半（日本時間午後５時）過ぎ、印航空大手エア・インディアが運航する旅客機が空港を離陸直後に墜落した。 　同社によると乗客・乗員２４２人が搭乗していたが、ＡＰ通信は地元警察当局の話として「生存者はいないとみられる」と報じた。在インド日本大使館によると、日本人が搭乗していたとの情報は確認されていないという。 　エア・インディアの発表によると、墜落した旅客機はアーメダバード発、英ロンドン近郊ガトウィック空港行きの１７１便。機体はボーイング「７８７—８型機」。アーメダバードのサルダール・バラブバーイー・パテール国際空港を午後１時３８分に離陸した直後、空港付近の市街地に墜落した。 　乗客・乗員２４２人のうち、国籍別ではインド１６９人、英国５３人、ポルトガル７人、カナダ１人が確認された。負傷者は病院に搬送されたという。 　地元メディアが報じた映像によると、旅客機は滑走路を離れて低空飛行した後、墜落し、爆発音とともに大きな炎と黒煙を上げた。ロイター通信によれば、墜落現場は医療関係者の宿舎で、多くの医学生が犠牲になっているとの情報もある。 　同通信は、警察当局の話として、墜落現場付近では２００人以上の遺体が確認されたと報じた。 　印航空当局によると、旅客機から緊急事態を知らせる交信があったが、その後の応答はなかったという。事故を受け、空港では航空機の離着陸を一時停止した。 　グジャラート州はインドのナレンドラ・モディ首相の地元だ。モディ氏は１２日、Ｘ（旧ツイッター）で「言葉では表せない心痛だ。私の思いは被害にあった人々と共にあり、支援のために活動する閣僚や当局と連絡をとっている」との声明を発表した。 　英国のスターマー首相も「多くの英国民を乗せたロンドン行きの飛行機が墜落した光景は悲惨なものだ。私の思いは、深い苦しみの中にいる乗客とその家族と共にある」とＸに投稿した。