【アーメダバード＝青木佐知子】インド西部アーメダバードで１２日に発生した旅客機墜落事故で、運航会社のエア・インディアは１３日、乗客・乗員２４２人のうち、２４１人が死亡し、１人の生存が確認されたと発表した。 インド主要紙ヒンドゥスタン・タイムズなどは、少なくとも地上にいた学生５人も死亡し、死者の総数が２６０人に上っていると報じている。負傷者も多数出ている模様だ。 １３日午後（日本時間１３日夕）、記者が事故機が直撃した医科大学の学生寮周辺の墜落現場に入った。焼け焦げたような臭いが漂う。６階建ての学生寮の壁は大部分が黒くすすけ、周囲の木々の枝まで黒く焼け焦げていた。 寮生活を送る学生らは疲れ切った様子で、持ち物を詰めたスーツケースを自室から運び出していた。 墜落時、寮内の知人を訪ねていたという医科大の教員男性（４２）は、「建物の屋上から炎が見えたので、３階の階段の踊り場から外に飛び降りた。はって逃げようとしていると、誰かが引っ張って助け出してくれた」と語った。「多くの友人を失い、憤りを感じる」とも話した。 タクシー運転手の男性（３２）は「空港で警官に声をかけられ黒煙に気づいた。現場に向かうと多くの遺体があった。ひどい状態だった」と振り返った。 ラムモハン・ナイドゥ印民間航空相は１２日夜、事故原因の調査を開始したと明らかにした。米国や英国は原因究明に向け、調査団を派遣すると表明している。 印航空当局によると、旅客機は離陸直後に緊急事態発生を管制官に知らせたが、離陸約３０秒後に墜落した。印民放ＮＤＴＶは１３日、飛行データを記録した「ブラックボックス」が回収されたと報じた。事故調査当局が解析を進めるとみられる。
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