13連戦初戦はジャッジの前で2本塁打 ドジャースの大谷翔平投手は11日(日本時間12日)のパドレス戦を終え、67試合に出場して打率.290、23本塁打、39打点、OPS1.008をマーク。本塁打数とOPSはいずれもリーグトップに立っている。怒涛の13連戦を終え、休養日を挟んで地区2位のジャイアンツと対戦する。大谷自身もチームも、浮き沈みを経験した約2週間を振り返る。 13連戦の最初のカードは、昨年のワールドシリーズで顔を合わせたヤンキースとの3連戦。5月30日(同31日)の第1戦では、初回にアーロン・ジャッジがいきなり本塁打を放つと、その直後、大谷が先頭打者弾を放つ離れ業を披露。さらに6回、ジャッジの頭上を越える22号を叩き込んだ。劣勢だったチームは、大谷の1試合2発で息を吹き返し、好投手マックス・フリードを粉砕してこの回一挙4得点。最終的に8-5で難敵を退けた。 翌日の試合前には、大谷が2度目の実戦形式投球練習「ライブBP」に登板。2回を想定して計29球(16球、13球)を投げ、受けたラッシングによれば球速は95〜97マイル(約152.8〜156.1キロ)を計測。投手としての復活をアピールした。 その数時間後には試合に出場し、初回に右前打を放った。ドジャース打線は2回までに10得点と大爆発。両軍ともに野手が登板する珍事も発生し、最終的に18得点で圧勝。しかし3連勝を狙った第3戦では、先発の山本由伸投手が4回途中4失点で降板。大谷も4打数無安打に終わり、チームも敗れた。 2日(同3日)からは、ナ・リーグ勝率トップを争うメッツとの4連戦が始まった。この試合前には、巨人軍終身名誉監督・長嶋茂雄さんの訃報が届いた。大谷は自身のインスタグラムを更新し、長嶋さんとの写真を添えて「心よりご冥福をお祈りいたします」と追悼。そして7回の第4打席で、クラニックの初球カーブを完璧に捉え右翼席へ23号を放った。ダイヤモンドを一周しながら、何度もうなずく姿が印象的だった。 しかし、大谷の23号もむなしくチームは敗戦。翌3日(同4日)も中盤に逆転されたが、9回にマックス・マンシーが同点弾を放って延長戦へ。10回、大谷はリーグ最多となる6度目の申告敬遠を受け、本拠地には大ブーイングが響いた。それでも最後はフレディ・フリーマンがサヨナラ打。大谷は満面の笑みで、殊勲の主砲に水を浴びせて祝福した。 3度目のライブBP登板…最終戦で快挙達成 第3戦の試合前にはサプライズが待っていた。ロバーツ監督に監督室へ呼ばれた大谷は「何かまずいことをしてしまったのかと思った」と焦りながら入室。だが、指揮官は長女のためにピンクのポルシェを用意しており、大谷はニッコリ。「素晴らしいです。ありがとう」と喜んだ。一方で、試合では今季20度目のマルチ安打を記録したが、判定にも泣き、チームは敗戦となった。 メッツとの4連戦は一進一退の攻防。3-5で迎えた8回には打線がつながり、20打席連続ノーヒットと苦しんでいたマイケル・コンフォートが意地の勝ち越し打を放ち、勝利に貢献。大谷も2試合連続でマルチ安打をマーク。本拠地7連戦は打率.321、3本塁打、OPS.998と好成績を収めた。 6日(同7日)からは敵地でのカージナルス戦。試合前にはWBCで「侍ジャパン」の一員として共闘したラーズ・ヌートバーと再会を果たした。ただ、試合は雨で75分遅延。大谷は3回に打球初速113.4マイル(約182.5キロ)の右前打を放つも、チームは完封負け。翌日は山本が6回無失点9奪三振の快投を見せたがサヨナラ負けを喫し、大谷も1安打にとどまった。 3連敗を避けたい第3戦、大谷は初回に二塁打を放ったが以降は快音なし。8回には今季初の死球を受け悶絶する場面もあった。それでも、チームは7-3で勝利し、続くパドレス3連戦へと臨んだ。 9日(同10日)の第1戦、大谷は初回にまたも二塁打を放ち、チームは延長戦を制して白星。翌日には3度目のライブBPに登板し、山本やダルビッシュ有が見守る中、3イニングを想定して登板。1安打6三振と圧巻の内容だった。一方、試合は投手陣が序盤から崩れ、6回からは野手が登板する展開に。大谷も6回限りで退いた。 13連戦の最終戦、大谷は第4打席までノーヒットだったが、9回に今季5本目の三塁打を放ち、その後ホームに生還。5年連続で「20本塁打&5三塁打」を達成し、現役では2012〜2016年のマイク・トラウト以来の快挙となった。13連戦は53打数15安打、打率.283、3本塁打、4打点、OPS.867。8試合連続安打を記録したが、敵地では“大谷らしい”ビッグフライは見られなかった。(Full-Count編集部)