「みんなのメリットを考えているのに」内閣不信任案をめぐって聞こえる立憲・野田代表のボヤキ

「提出即解散」報道もあった  国会の会期末を6月22日に控え、立憲民主党の野田佳彦代表が内閣不信任案を提出するか否かに注目が集まってきた。「不信任案の不提出が濃厚」との報道が相次いでいるが、この間、野田氏はかなり悩んでいたとされる。維新や国民民主のトップから提出を煽るような発言も聞かれたが、どういった結末を迎えることになりそうか。 【コメ高騰問題】評価が急降下の自民党大物議員とは、夫人は大学院の教授も務める  内閣不信任案をめぐっては、「提出されれば石破茂首相は即解散に踏み切る」などといった報道もあり、注目を集めてきた。 「不信任案が提出されれば否決するのが通常で、衆院で過半数を持たない現在の少数与党としては可決されないように努力するのが本筋。それなのに提出即解散というのはなかなかの奇襲で、自民党の森山裕幹事長による“提出させないためのけん制”だと見られていました」 石破首相と立憲の野田代表  と、政治部デスク。内閣不信任案の提出には51人以上の衆院議員が必要なので、提出できるのは基本的に立憲だけだ。 「当然、野田氏も不信任案提出については悩んでいたようです」(同) クビは取れる時に取りに  低空飛行が続いていた石破内閣がさらに窮地に陥ったのは、5月の江藤拓前農水相による失言と更迭だった。が、その後継となった小泉進次郎氏の働きは世間に好感され、内閣支持率は上昇基調となっている。 「もちろん、その点も野田氏の悩みの一因でしょう。加えて維新や国民民主のトップからは煽りや脅しみたいな発言も飛び出し、心中穏やかではなかったようです」(同)  具体的に紹介しておこう。維新の前原誠司共同代表は5月下旬、政治家人生30年の経験を踏まえたうえでこう述べた。《クビは取れる時に取りに行かなければ取ることができない。立憲民主党さんにお任せしますが、クビを取りに行くのであれば(不信任案を)出すだろう。色んなことを考えて、別に今の状況でもいいと思われたら、出さないだろう。最終的には立憲さんが決めることだが、本質は戦であり、その手を緩めた方が負けだと私は思っている》  国民民主の玉木雄一郎代表も6月上旬、《政権交代を目指す野田氏は(不信任案)を出すべきではないか》と述べた。 解散されて困るのは 「野田氏はこういった発言に強い不快感を示していました。前原、玉木の両氏はそういう風に表向き言うけれど、じゃあ不信任案を出したら協力するのか?というわけです。維新は何よりも大事な万博がおひざ元の大阪で開催中。前原氏自身も本音では“解散されたらイヤだ”と思っているようです。国民民主は衆院の候補者選定にまで手が回らず。程度の差こそあれそれは立憲も同じ状況で、衆院で議席数を上乗せできる可能性はそう高くない。長年の懸案である野党間の候補者調整もうまく進んでいない。問題は山積しており、“解散されて困るのはみなさんの方じゃないですか、メリットを考えて動いているのに”などとボヤいていたと聞いています」(同)  要は維新も国民民主も、野田民主をたきつけてはいるものの、目的は不信任案を可決することではなく、戦っている姿勢をPRすることにあり、野田氏はそのために利用されているだけ、ということになる。それを野田氏も重々承知しているから、ボヤきたくもなるわけだ。 “不信任案を不提出”の大義 「去年の10月に解散総選挙をやったばかりで、1年も経たないうちに再びというのは国民の理解をはるかに超えているといった指摘は永田町からしばしば聞こえてきていました。裏金問題に関係して自民党から公認を得られず落選した前議員らは今すぐにでも選挙をしてほしいと考えているでしょうが、彼ら以外は与野党問わず、誰も選挙などやりたくないのでは」(同)  そもそも仮に選挙となれば、多額の税金が使われることになる。自公政権が倒れたあとのヴィジョンもないのにダブル選となれば、現在以上の不安定な政治状況になる可能性は高い。 「野田氏は6月上旬の会見で、“次期衆院選で政権交代できなければ代表を辞任する”と述べました。仮に7月下旬に衆参ダブル選となった場合、政権交代の可能性はそう高くないと見られ、その他の発言も踏まえると不信任案の提出はないと見るのが自然です。が、会期末までまだ時間はありますし、立憲内にも急進的な勢力が存在するので、何が起こるかわからないという意味で、関係者は引き続き警戒をしています。“不信任案を不提出”の場合でも野田氏としては大義が必要。そのあたりについては“トランプ関税をめぐる国難”を石破首相が演出し、野田氏もそれを受けて矛を収めるという流れになって行くのかもしれません」(同) デイリー新潮編集部

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