16日から3日間は、東京都議会議員選挙をめぐる、各党の選挙戦をお伝えします。参議院選挙の前哨戦とも言われる首都決戦。16日は小池知事を支える「知事与党」3党の選挙戦に密着しました。 　　　　◇ 都議選の中、自民党のトップは夫人とカナダを訪問しました。G7サミットなどもあり、表立って選挙戦には関わっていません。石破首相不在の中、小泉農水相は“コメ問題”の合間を縫って、選挙戦に参戦しています。 小泉農水相 「選挙のことばかり時間を割くことはできませんが、この後また仕事に戻って応援し続けたいと思います」 16日は、去年、自民党総裁選を戦った高市早苗議員や小林鷹之議員らが選挙の顔として、応援に駆けつけていました。 自民党　小林鷹之議員 「ここで負けるわけにはいかないんですよ！」 小池都政への「イエス」「ノー」を問う今回の都議選は、夏の“参院選の前哨戦”とも言われ、小池都政を支える自民党・都民ファーストの会・公明党の「知事与党」が過半数を維持できるかも焦点の1つです。 週末、自民党・東京都連のトップは「政治とカネ」の問題を陳謝し、改めて支持を訴えていました。 自民党　井上都連会長 「どうかもう一度、私たち自民党にチャンスを与えていただきたいんです」 自民党が「国政選挙並みの態勢」で臨むという首都決戦。 自民党　井上都連会長 「この都議選の結果というものが、参議院選挙にも大きな影響を与えるというのは否めないと思います。“知事与党”ですから、小池知事と一緒になってさまざまな課題に取り組んでいく」 その、小池知事は自ら選挙戦の前面に出て、特別顧問を務める都民ファーストの会の応援に出ていました。 都民ファーストの会特別顧問　小池知事 「百合子ちゃんですよー！」 「第1子からの無償化を進めていきます。これによってまた子育てがしやすい」 都民ファーストの会のイメージカラーである緑色のカーディガン姿で、子育て支援などを訴えていました。しかし、その前日に着ていたのは、緑ではなくピンク色の洋服です。 都民ファーストの会特別顧問　小池知事 「都議会公明党のみなさんと私、小池百合子、しっかりと都政を前に進める」 公明カラーのピンクに身を包み、知事与党の候補者を援護射撃していました。この日、都内9か所も公明党の応援に駆け回りました。ただ、もう1つの知事与党である自民党の応援には、いまだ入っていません。 都民ファーストの会　関係者 「不記載問題のような不祥事を是とするという間違ったメッセージになるので、自民の応援には入らないと思う」 その小池知事の応援を受ける公明党。 公明党　斉藤代表 「公明党はやると言ったらどんなに時間がかかってもやります」 雨や風が吹く中、党のトップ自ら、有権者に物価高対策などを訴えていました。 公明党　斉藤代表 「今までの歴史を見てみますと都議選で出てきた傾向がそのまま参議院選挙へ、国政選挙へという流れがあります。そういう意味でも大変重要な選挙だと思います」 自民・公明も参院選の前哨戦と位置付ける今回の都議選。次の日曜日の22日に投開票が行われます。 　　　　◇ 日本テレビは読売新聞と共同で都議選について世論調査を行いました。日本テレビ政治部の竹内真デスクが、その結果について解説します。 今回の都議選でどの政党や政治団体の候補者に投票しようと思うかたずねたところ、自民党が20％で1位、都民ファーストの会が10％で2番手となりました。 告示前の調査では、自民党は18％だったのでほぼ横ばい、都民ファーストの会は前回から3ポイントほど上がり2位に浮上しました。 立憲民主党が前回から横ばいの7％、前回2位の国民民主党は10％から3ポイント下げて4位になりました。無回答は31％でした。 ——現在、都議会第一党の自民党が世論調査でも1位についています。どう評価しますか？ これは「苦戦」していると言っていいと思います。今回、それを示す数字があります。 自民党支持層のうち自民党に投票しようと思うと答えた人は、59％しかいませんでした。しかも自民党支持層のうち14％が、都民ファーストの会に投票すると答えています。つまり「小池さんに浮気する」と言っているようなことなわけです。 自民党で選挙を仕切っていた人はいつも「自民党が選挙に勝つには、支持層の80％から90％を固めなければならない」と言っていました。それが今回はおよそ60％しか固められていないので、苦戦するのもしかたないわけです。 ——苦戦している理由として考えられることは？ 1つは、都議会自民党の「政治とカネ」の問題があると思います。私が注目するのは、石破首相の不人気です。東京都議会の選挙とはいえ、やはり国政の影響は受けます 今回、都民に石破内閣を支持するか聞いたところ、「支持する」は24％でした。5月の全国調査での支持率は31％だったので、都民の方が石破首相に冷ややかであることが分かります。 今の選挙はリーダーの存在が、大きいです。リーダーが不人気であれば、自民党の苦戦につながるわけです。 ——議席獲得を目指す国民民主党は、前回の調査より3ポイント下げ4位についています。その背景は？ 国民民主党の支持率は、他の報道機関の世論調査でも下がる傾向にあります。取材をすると、5月に不倫問題が指摘された山尾志桜里氏を参議院選挙の公認候補にすると発表したことが影響していると言われています。 不倫問題があった人を公認することに対して、SNSなどで結構な批判がありました。その結果、玉木代表は公認内定を取り消すという方針転換をしました。 この一連の動きが、国民民主党の勢いがなくなった原因ではないかとみられています。 ただ、選挙は流れが変わる局面もあります。引き続き、各党、各候補の訴えに注目していかないといけないと思います。