《進次郎劇場で支持率反転》自民党内に高まる「衆参ダブル選挙をやれば勝てる」の声 自民党の参院選情勢調査では与党で61議席、過半数を12議席上回る予測

 石破茂・首相が衆院解散をチラつかせるのは、野党に内閣不信任案を出させないための保身のブラフではなかった。コメ値下げをめぐる連日の“進次郎劇場”で自民党への逆風は止まった。「いまダブル選挙を打てば勝てる」──首相は本気で狙っている。果たしてダブル選挙になれば自公政権は衆参過半数を回復できるのか。緊急議席予測を行なった。【全3回の第1回】 【徹底分析】石破首相を強気にさせた自民党内部調査 「今衆参ダブル選挙をやれば勝てる」の声  会期末の国会は奇妙な緊張感に包まれている。  野党が内閣不信任案を提出すれば少数与党の自公には否決する数がない。石破首相は「不信任案が出たら総辞職ではなく解散を打つ」との構えを見せ、解散権は事実上、野党第一党の立憲民主党が握っている。  ところが、立憲の野田佳彦・代表は解散を怖れて不信任案提出に踏み切れない。  進次郎氏が主導する政府備蓄米の「値下げバーゲン」でじり貧だった石破内閣の支持率は反転。NHKの世論調査では6ポイント、ANNは6.8ポイントも急回復した。 「今衆参ダブル選挙をやれば勝てる」(自民党参院議員)  与党内に解散を望む声が強まっているからだ。  その根拠のひとつとされるのが、自民党が5月に行なった参院選の情勢調査だ。  本誌・週刊ポストが入手した〈参議院選挙の情勢調査の概要〉と題する報告書では、「自民党49議席、公明党12議席」で与党合計61議席を獲得。自公ともに現有議席からは減るものの、非改選(自公で75議席)を合わせると136議席となり、過半数を12議席上回ると予測している。  さらに報告書には、〈前回調査時より、自民党支持者や公明支持者は固まりつつありますが、無党派層の支持は逆に減っていますので、無党派層に響く目玉政策が必要です〉という分析に続いて、〈備蓄米の継続的な放出と米の更なる増産など米価対策〉〈物価高、トランプ関税対策のための現金給付〉など7項目の選挙対策が提案されている。 「総理はこの調査を見てダブルでもいけると自信を持った」(石破側近)  実際、自公は報告書の提案通りに6月10日の幹事長会談で「国民1人数万円」の現金給付を参院選公約に盛り込む方針を決めた。  今年4月に石破首相がバラマキ批判を浴びていったん撤回した現金給付が復活したのだ。衆参ダブル選挙への布石が着々と打たれていると見てよさそうだ。 「勝敗の分かれ目となる1人区でも健闘」の予測  自民党調査の詳細を見ていこう。  A4判の報告書は2つに分かれている。〈参議院議員選挙調査結果一覧〉と題する資料では、全国の選挙区ごとに各党の候補者別の支持率を調査した生データと情勢が詳細に分析され、いくつもの表にまとめられている。それを要約した前述の概要には、政策提言や要注意選挙区の情勢がまとめられていた。  調査日は5月16〜18日。対象選挙区は全選挙区で、各選挙区3000サンプルと書かれている。  勝敗の分かれ目となる1人区(32選挙区)で自民党は20勝12敗と健闘。複数区でも自民党が候補者を1人しか立てていない10選挙区では全員当選圏内で、候補者を2人擁立した北海道と千葉は1人当選圏内、東京は2人とも当選圏内とされている。 「自公で過半数維持」(森山幹事長)を掲げた勝敗ラインの達成は十分可能という内容だ。  ちなみに自民党調査では野党の議席を、「立憲27議席、維新4議席、国民14議席、れいわ4議席、共産6議席、参政1議席、保守2議席」と分析している。  本誌はこの資料がどこで作成されたかを自民党本部に確認したが、担当者は何を質問しても「私にはわかりません」の一点張り。ただし、自民党の資料であることの否定もなかった。 (第2回に続く) ※週刊ポスト2025年6月27日・7月4日号

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