東京・仙台間で運転を見合わせていた東北新幹線が、運転を再開しました。この影響で約1100人が一時、新幹線の車内に取り残されました。 　　　◇ 列車から列車へ、次々と移動する人たち。線路脇には、作業員とみられる多くの人の姿がありました。 こうした事態の“原因”となったのは、線路上に止まった1台の新幹線。この動けなくなった新幹線により、各地で混乱が広がりました。 JR東日本によると、17日午前11時半前、東北新幹線の下りの回送列車が、走行中に加速できなくなり停車、動けなくなりました。停車したのは那須塩原駅から南に約3キロの場所。 この影響で、東北新幹線は、東京駅から仙台駅の上下線で運転を見合わせることになりました。 東京駅では、チケットの払い戻しのためでしょうか、窓口には多くの人がいました。 「あすから大阪に出張なので、きょうはどうしても帰らないといけない。なんとしても帰りたい」 ──どちらに帰る？ 「仙台まで」 その仙台駅は…。 利用者（宮城・仙台駅　正午すぎ） 「じゃあ俺はどうすればいい？」 仕事で名古屋へ（宮城・仙台駅　正午すぎ） 「はやぶさ18号。それから東海道新幹線に乗って名古屋に行く予定。えっ！？　東海道新幹線の予約を1回キャンセルしないと。みどりの窓口行ってきます。まじかよ…」 盛岡駅でも、窓口に行列が。 観光客 「東京に帰る予定だった。だから困ってます。仙台までしか行けないんでしょ、考えます、これから。もう1泊するか」 目的地にたどり着けるか、気をもんでいました。 この回送列車に乗客はいませんでしたが、後ろには合わせて2台、約1100人の乗客を乗せた別の新幹線が…。乗客は一時、車両に取り残されました。 乗客が撮影した映像には、元来た方向に引き返しているという様子が映っていました。 当時の状況について、乗客は…。 取り残された乗客 「途中で新幹線が急に停止して、私たちの乗っている新幹線に『JR関係者がいらっしゃったら9号車にお越しください』とアナウンスが流れていました」 ──どのくらい止まっていた？　 取り残された乗客 「3時間以上、止まってた感じはしました」 取り残された乗客 「みなさん騒ぐことも暴れることもなく、静かな状態で仕事をする方も、本を読む方も」 午後3時頃になると、乗客の乗った新幹線の横に、別の車両が停車。乗客は次々と隣の車両に乗り移り、宇都宮駅に向かったということです。 宇都宮駅に戻ってきた乗客は…。 乗客 「停電はないし、クーラーも一応、利いてたから、みなさん落ち着いて乗っていたと思います。3時間くらい乗ってたからね。バックして戻ってくるってのも、きょう1日何してたんだと思うくらい」 　　　◇ 動けなくなっていた回送列車は、その後の処置の結果、自力走行できることを確認。 そのため東北新幹線は運転再開見込み時間を2時間前倒しして、午後5時頃、運転を再開したということです。