17日は関東を中心に各地で35℃以上の猛暑日となりました。この暑さで、神奈川・埼玉・群馬・静岡では、60代から90代の女性合わせて4人が熱中症で死亡しました。 17日夜、東京・浅草にあるビアガーデン。 喜入友浩キャスター 「縁日のような屋台が立ち並び、夏祭り気分を味わえますが、夏本番のような暑さで、手元の温度計、30℃に迫る暑さとなっています」 夜になっても、気温は高いまま。17日は、こんなことを思った人も多いのではないでしょうか。 「早くない?って。6月にして暑くなるのが」 2歳の男の子は、うちわを手放しません。 この暑さに、男性は…。 「もうタオル2枚使っています。そうしないともう、すぐビチョビチョになっちゃう。日も暑いし、温度も高いし、対策のしようがない」 都内では今年初めての熱帯夜になるかもしれません。 寝る際の対策は…。 「冷たいのを敷いて寝ています。シーツみたいな、触れると冷たいやつ」 まだ梅雨のはずですが、京都市では猛暑日に迫る気温に。強い日差しが照りつけました。 「最近で一番暑い。(夏に向けて)耐えきれるか不安ですね」 35℃以上の猛暑日となったのは、関東を中心に65地点。山梨県甲府市では38.2℃と、全国1位の暑さとなりました。 「梅雨が最近始まったばかりなのに」 街は雨傘ではなく、日傘の人が目立ちます。 全国2位は群馬県高崎市(上里見)で37.7℃。3位は静岡市で37.6℃と、各地で“体温を超える暑さ”となりました。 「もうこの暑さ、本当に私みたいな高齢者はたまらん」 その静岡市では17日、畑作業に出かけていた70代の女性が熱中症で死亡しました。 千葉県や茨城県などでは「熱中症警戒アラート」が発表されました。関東では今年初めてとなります。 熱中症対策を聞くと…。 20代 「塩分チャージ食べたり、アクエリアス飲んだりしている」 「1リットル入る水筒を買って、17日から使い始めた」 その水筒を見せてもらうと…。 20代 「午前中で半分ぐらい飲み切っちゃった。これから先やっていけるのかな」 都心の最高気温は34.8℃。猛暑日一歩手前で今年の最高気温ですが、皇居ランナーは走り続けていました。 仕事は休み 30キロ走に挑戦予定 「(Q.なぜこの天気のなか走ってる)会社で“ランサークル”があって、定期的に仕事の一環で走っている。(Q.17日はどれぐらい走ってる)まだ15キロぐらいです。(Q.熱中症対策は)アクエリアス背中に背負っている」 昼休みに走る 目標はフルマラソン 「(Q.なぜ走ってる)フルマラソン目指してる。(Q.1日どれぐらい走る)昼休みに走るので8キロ。こまめに水分をとったり、負荷をなるべくかけないようペースを落としてる」 報告 「撮影を始めて500から600メートルしか走っていないんですが、手元の気温計が32℃を超えていて、汗が止まらなくなるような、そんな暑さです。ちょっと休憩します」 仕事は休み 日曜に皇居ランの約束 「(Q.いつも走っている)初めてです。そこの交番で終了。5キロ終了です。キツいですね。あとちょっとです!終わりです〜。(5キロで)40分ぐらい。目標は30分なので、あと10分まきます!」 この暑さ、走るのは大変ですが、仕事をするのも大変です。 大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンで働くクルーはおよそ1万5000人。USJは客だけでなく、クルーの熱中症ゼロを目指しています。 「お疲れ様です。オアシス隊で回ってきました。ドリンクはいかがですか」 クルー 「ありがとうございます」 クルーの熱中症対策をするクルー、「オアシス隊」。飲み物に加え、塩分タブレットやおしぼりも配ります。 17日の大阪の最高気温は7月下旬並みの33.4℃。今年はオアシス隊の出動を去年より1週間早めたそうです。 オアシス隊 「体調崩されないように」 クルー 「ありがとうございます!」 実は職場での熱中症対策、今月から企業の義務となりました。対策を怠った場合には、罰金などが科される可能性があります。 ただ、対策に苦労する企業も。 夏と言えばの飲み物、麦茶。しかし、その製造現場は…。 「汗だくです」 「今年に入ってからは17日が一番暑い」 麦茶づくりに大切な「麦の焙煎作業」では、麦の香りと甘みを引き出すために、およそ250℃にもなる窯の周辺での作業が欠かせません。 小川産業 小川桂輔さん 「いまは43℃くらい出ている。いつもだいたい、外気温+10℃くらいなので」 作業場は、危険な暑さとなっていました。 そこで取り入れたのが、冷却ベスト。背面のタンクから氷や水を入れ、着用することで体を冷やすことができると言います。 その効果をサーモカメラで見てみると、着用前、窯の周辺で作業する従業員は、東部や背中が40℃以上を示すオレンジ色。しかし、冷却ベストを着用すると、背中は20℃以下を示す青色。全身も30℃程の緑の表示が多くなりました。 「らくです!相当らくです」 ただ、一番の暑さ対策はやはり…。 「麦茶です。生き返りますね。冷たい物を飲むと中が冷たくなって」 ほかにも、作業場にスポットクーラーを増設。従業員に小まめな休憩を呼びかけていると言います。 小川産業 小川桂輔さん 「これからどんどん暑くなって、もしかしたら40℃近くまでいく日も出てくるかもしれない。熱中症になってしまっては大変なので、体調管理を従業員に関して徹底していきたい」 こうした熱中症対策を行う企業が増える一方、17日、全国では熱中症の疑いによる救急搬送が相次ぎました。 東京消防庁によりますと、17日、都内ではあわせて54人が熱中症の疑いで救急搬送されました。このうち、60代の男性と70代の女性が重症です。 静岡市と神奈川県綾瀬市では70代の女性が、群馬県嬬恋村では96歳の女性が畑で倒れたほか、埼玉県越谷市では駐車場の車から口を開けた状態の65歳の女性が見つかり、4人とも死亡が確認されました。 17日、都内のクリニックにも…。 患者 「朝・昼・夜、自分の体がついていっていない感じがして。頭は朝からガンガン痛かったり」 医師 「胸は痛くないですか」 患者 「胸痛かったです」 医師 「汗がばーっと出てくるときはあります?熱中症ですね」 女性は2番目に重い、中等症の熱中症。長時間、外にはいませんでしたが、体調不良の体に暑さと疲れが蓄積し、熱中症になったとみられます。 いまは梅雨のはずですが、この先も続く夏の空。東京は今月いっぱい、30℃以上の真夏日になりそうです。 いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長 「(暑さで)クラクラすることがあると思うが、それは熱中症の始まり。この熱中症の初期段階に早めに手を打つことが大事」 院長によりますと、熱中症対策で遅れがちなのは塩分などのミネラル補給と体を冷やすこと。 18日は和歌山県・三重県・福岡県で「熱中症警戒アラート」が発表されているほか、各地で厳しい暑さが予想されていて、熱中症に警戒が必要です。