「殺人教師」の映画で怪演 6月27日に公開を控える映画『でっちあげ〜殺人教師と呼ばれた男』だが、主演を務める綾野剛（43歳）と共演者・柴咲コウ（43歳）の「演技合戦」が公開前から話題を呼んでいる。 映画の原作は、「第6回新潮ドキュメント賞」を受賞した福田ますみ氏のルポルタージュ『でっちあげ　福岡「殺人教師」事件の真相』（新潮文庫刊）だ。20年前、日本で初めて教師による児童へのいじめが認定された体罰事件である。 問題の小学校教師は、担任児童を自殺強要や凄惨な暴力でPTSDによる長期入院に追い込んだとされ、「殺人教師」とまで報じられた。その後、児童側を擁護する550人の大弁護団が結成され、民事裁判へと発展したが、法廷は担当教諭の完全否認から幕を開けるのであった。 話題を呼んでいるのは、殺人教師の疑惑を向けられることとなる小学校教諭・薮下誠一（綾野）と、いじめの対象とされる児童・氷室拓翔（三浦綺羅）の母・律子（柴咲）が家庭訪問で対峙するシーンだ。 「映像は左右に二分割された画面から始まり、藪下と律子、それぞれの供述で状況は一変します。あまりにも強烈でヒリヒリするような演技を見せた綾野さんと柴咲さんは、メガホンを取った三池崇史監督から撮影直後、『2人とも狂ってる』という最大級の賛辞を得たといいますから、この作品の最大の見せ場でしょう」（映画ライター） ここ数年の柴咲の動向について振り返ってみよう。彼女は、'20年3月31日付で芸能事務所「スターダストプロモーション」との契約を満了し独立。 柴咲の「二足の草鞋」術とは 以後、映画を中心に仕事をこなし、福山雅治（56歳）主演の「ガリレオ」シリーズ最新作『沈黙のパレード』（'22年）、吉岡秀隆（54歳）主演のフジテレビ系人気ドラマシリーズの劇場版『Dr.コトー診療所』（'22年）、自身が主演を務めるクライム・サスペンス映画『蛇の道』（'24年）などで好演を見せた。 しかし、しばらく軸足を置いていたのは本業である俳優業ではなく、「副業」だったという。 「'16年にエンタメやアパレル・雑貨事業を行う会社『レトロワグラース』を創業しました。現在の所属先でもあります。アパレルブランドやオンラインセレクトショップなどの事業を展開していたが、アパレルのアイテムはどれも高額で売り上げが伸びず。そのため、創業以来6期連続の赤字だった。ところが、このところ2期は黒字。 以前は柴咲が映画で稼いだギャラを補塡に充てしのいでいたが、事業全体のテコ入れを行ったり、新規のスポンサーを獲得したりして立て直しに成功。所属タレントも徐々に増え、ようやく事業が軌道に乗ったこともあり、軸足を本業に戻すことができた」（テレビ局関係者） もともと、女優業のみならず、歌手としても活躍してきたため、柴咲にとっては「二足の草鞋」は通常営業なのかもしれない。 '03年にRUI（ルイ）の名義でリリースした映画『黄泉がえり』の主題歌『月のしずく』が100万枚（ミリオン）を超える大ヒット曲に。翌’04年には、ドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』の主題歌『かたち　あるもの』が60万枚を超えこちらも大ヒット。 独立後も楽曲のリリースとライブ活動を行っているが、今や、独立してやりたかったことが、すべて上手く稼働しているようだ。 【こちらも読む】『踊る大捜査線』の最新作に出演しなかった深津絵里が、表舞台から姿を隠す「知られざる事情」 【こちらも読む】『踊る大捜査線』の最新作に出演しなかった深津絵里が、表舞台から姿を隠す「知られざる事情」