天皇陛下は、18日、大阪・関西万博のため来日中のドイツのシュタインマイヤー大統領と懇談されました。 天皇陛下は、18日午後4時大阪・関西万博のナショナルデーイベントに出席するため来日しているドイツのシュタインマイヤー大統領をお住まいの御所に出迎え、およそ30分間懇談されました。 冒頭、陛下が1987年、当時の西ドイツで「ベルリン日独センター」の開所式に出席したことや、2011年の日独交流150周年の節目にドイツを訪問したことについて話されると、大統領は2011年に陛下が植樹した桜が毎年春にたくさん花をつけているなどと答えたということです。 また大統領は、戦後80年にあたり今年、ドイツの議会で「未来のことを考えて過去と向き合うことが重要である」という内容の演説を行ったことを話し、陛下に戦後80年にあたっての取り組みについて尋ねました。 これに対し陛下は今年は、硫黄島や沖縄を訪れ、20日から広島、さらに長崎も訪問する予定であることを紹介した上で、大統領の演説に賛同し「過去と向き合って、次の世代に伝えていくことが非常に重要だと考えています」と話されたということです。 さらに「日本の若い世代はこうした過去の問題にどれほど関心を持っているのでしょうか」という大統領からの質問に対して、陛下は、戦争体験者や遺族に加え、若い世代の語り部からも話を聞くようにしていることを話し、改めて「こうした過去の記憶を次の世代につないでいくというのは、大変重要なことだと思います」と語られたということです。 そして大統領が、広島・長崎を訪れた際に原爆の被害がいかに悲惨なものか強く印象づけられたと述べた上で、「今、世界を見ると核弾道の数はさらに増えているといった報告もあり、必ずしも軍縮に向けた進展はみられていないのは非常に残念です」と話すと、陛下は真剣に聞き入られていたということです。
