子どもの熱中症に警戒『こども気温』がポイント 熱中症の搬送者数における子どもの割合は、2024年のデータで5月は約20%、6月は約13%と、真夏に比べ多くなっています。 子どもの方が大人に比べて早く「暑さ」の影響を受けることが分かります。 【写真を見る】気づきにくい「子どもの熱中症」サインは?“トイレが少ない”“口数が減る”些細な変化に注意【ひるおび】 子どもの熱中症について知っておきたいのが『こども気温』。 子ども特有の暑熱環境を指します。 ウェザーマップとサントリーの共同実験で、夏場の晴れた環境の中、身長差によって表面温度がどう異なるのか、マネキンを使って検証しています。 ▼170cmの大人の胸の高さ(150cm地点)⇒31.1℃ ▼120cmの子どもの胸の高さ(80cm地点)⇒38.2℃ 子どもの方が7.1℃高いという結果が出ています。 気象予報士 森朗氏: 表面温度ですからイコール気温というわけではないですが、やっぱり地面に近い子どもの方が暑さを感じます。 いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長: また、子どもは夢中になって遊ぶので、暑かったりだるかったり頭が痛くても無理してしまうと言われています。 ≪乳児・未就学児≫ 体温調節機能が未発達なため高い気温の影響を受けやすい ≪小学生≫ 遊びに夢中で自覚がないまま体内に熱をため込んでしまう 時間が経ってから急変する場合も ≪中高生≫ クラブ活動など激しい運動をする機会が多い 自分で判断し我慢や無理をしてしまうことも 大人が見逃さないために 子どもの熱中症は、大人が気をつけてあげることが大事です。 些細な変化でも熱中症を疑い、様子を見るようにしましょう。 ▼目がチカチカする(意識がもうろうとしている) ▼トイレの回数が少ない(水分不足) ▼足がつる(電解質不足による) ▼食欲が低下している ▼口数が減って不機嫌に見える コメンテーター ふかわりょう: 私が学生の頃は、職員室しかクーラーが効いていない時代だったんですけど、今はもう各教室にエアコンが設置されているものなんでしょうかね。 伊藤博道院長: 私は近くの学校の校医もやっていますが、今は大体完備されているところが多いと思います。ただちょっと気になるのは、例えば体育館など教室以外のところです。 環境整備は、時代とともに極めて重要になってきていると思いますので、運動施設や教室のエアコン完備は大事な要素だと思います。 熱中症予防の3本柱+「牛乳」 伊藤院長に熱中症予防について聞きました。 ≪予防の3本柱≫ ▼こまめな水分補給 ▼体を冷やして体温を下げる ▼塩分やミネラルを摂取する 伊藤院長はこの三本柱に加えて「タンパク質の摂取」を勧めています。 飲み物としては、水分とタンパク質を一度に摂取できる「牛乳」がオススメだそうです。 いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長: 「夜寝る前に水を一杯」とよく言います。水でもいいんですけど、腎臓の機能のいい人は早めに尿となって出てしまいますので、長く残るという意味では牛乳もいいです。 タンパク質が、筋肉の中にある程度保持されて吸収もゆっくりされますから、そこからジワリジワリと汗が出ていくときに使われます。 1日の中で水だけや、お茶だけ、スポーツ飲料だけではなくて、タンパク質を含む牛乳も良いのではないかという提案です。 コメンテーター 伊藤聡子: お肉なども食べた方がいいですか? 伊藤博道院長: はい。血液が薄くなってしまうと体がむくむ形になって、血管の中に水分が十分に無い「血管内脱水」という状態になり、汗をかいての暑熱順化がうまくいかないんですよね。血管の中に有効な血液がとどまるためには、タンパク質は非常に重要です。 本格的な夏のシーズンに備えてタンパク質を十分摂取するのは大事なことです。 (ひるおび 2025年6月18日放送より)