関西テレビ（カンテレ）の尾谷牧夫会長と岡宏幸社長が１９日、同局内で「社長会見」を行った。 　元タレント・中居正広氏の女性トラブルに端を発するフジテレビの一連の問題を巡って、トラブル発生当時にフジ専務だった大多亮氏が今年４月にカンテレの社長を辞任。元フジの取締役相談役で、カンテレの取締役だった日枝久氏も今月１９日付けで退任となった。フジテレビから大多氏を引き抜いた福井澄郎会長は、同職を退き新たに顧問となった。 　同局の新会長には尾谷氏、新社長に岡氏が就任。 　 　尾谷会長は、８０年に同局に入社、制作局長などをへて、１９年にテレビ愛媛で社長職を務めてきた。 「経験値だけはある。キー局から離れた目線で助言できる」とし、同局社員について「すばらしいコンテンツを作れる会社だと、やりがいを持ってほしい」と抱負を語った。 　また、岡社長は同局の取締役として２年間、コンプライアンス推進局担当を務めてきた。今後、ガバナンスの徹底とコンプライアンスを順守するとし、昨今のテレビ業界について「逆風の中にいるが負けない」と力強く語った。 　今回の問題の影響で、カンテレも広告収入が激減している。 　岡社長は「社員、視聴者、社員、取引先の信頼回復に努める。大多前社長が辞任し、バタバタした中で数か月過ごしてきた。社員が安心して会社に来ることができる体制を作らないといけない」と気を引き締めた。 　また、フジ・メディア・ホールディングスに対して「発展できるような親会社であってほしい。フジテレビがどうなっていくのかが系列局の生命線です。改革を進めていただきたい」と期待感を示した。 　大多前社長が自ら辞任したことで業績は改善している。岡社長は「月を経るごとに出稿のクライアントさまが増えているという実感はある」と報告した。 　同局は０９年から退職金制度を廃止している。大多氏に支払っていないと説明したが、制度廃止前の１９９４年から取締役を務めてきた日枝氏に関しては支払うという。 　金額を聞かれた岡社長は「お伝えすることはできません。勘弁してください」とした。