立憲・野田代表が伝達 内閣不信任案の提出見送り、国民・玉木代表「正直言って拍子抜け」【Nスタ解説】

国会では会期末が迫るなか、残る最大の焦点だった内閣不信任決議案について、立憲民主党の野田代表は提出を見送ると野党の党首らに伝えました。 【写真で見る】立憲・野田代表の“決断”に、国民・玉木代表や石破総理の反応は? 「政治空白は作るべきではない」 戦いの舞台は参院選へ 午後、与野党の党首会談に臨んだ石破総理。 石破総理(正午ごろ) 「国益をかけた交渉となります。どうぞ皆様方にもご協力をたまわりますようお願いを申し上げます」 議題となったのは、日米首脳会談で話し合った関税交渉の進捗状況や、混乱する中東情勢に伴うガソリンの高騰対策などです。 今回の会談、実は立憲民主党の野田代表にとっても大きな意味合いをもっています。それは、内閣不信任決議案を提出するかどうか判断する材料の一つになるとみられていたからです。 会談が終わったあと、記者から内閣不信任案を提出するか聞かれた野田代表は… 立憲民主党 野田佳彦 代表(午後1時すぎ) 「もう一回メモを反芻しながらチェックしたいと思います」 Q.いつ決断する? 「反芻してから決めます」 これまでどおり、言及を避けました。 党の重鎮・小沢議員は午後、不信任案を提出するべきだと主張する議員を集め、野田代表に対応を迫りました。 立憲民主党 小沢一郎 衆院議員(午後1時すぎ) 「国民の生活が第一と、少なくとも私はそういう考え。今の自公政権は、何を見てもそういう基本的考え方には外れている。だから不信任」 “主戦論”を求める声が出るなか、野田代表は日本維新の会の前原共同代表らと会談。結論を伝えました。 日本維新の会 前原誠司 共同代表 「不信任案の提出についてでありますが、見送るというお話がございました」 野田代表は▼アメリカとの関税交渉が今も続いていること、▼中東情勢が緊迫し、現地に滞在する日本人の退避も終わっていないことなどから、「今は政治空白を作るべきではない」と説明したということです。 今回の決断について、ほかの野党からは… 国民民主党 玉木雄一郎 代表 「正直申し上げると拍子抜けですね。もっと戦うのかなと思っていましたが、今の段階で出さないというご報告ですから」 不信任案が提出された場合、衆議院の解散総選挙に打って出ることも検討していた石破総理。野田代表の判断を、どう受け止めたのでしょうか。 石破総理(午後5時半ごろ) 「野田代表がそういう説明をなさったことは報道で承知をいたしております。それを受けて各党がどのように対応されるか、まだ具体的に承知をしておりません。そういう段階でのコメントというのはできません」 少数与党の状況で、異例の展開づくしだった通常国会。“会期末の風物詩”だった不信任案も提出されず、戦いの舞台は参議院選挙に移ります。 野田代表の思惑は? 立憲民主党内の鎮静化も図りつつ… 井上貴博キャスター: 「不信任案を出さない野党なんて腰砕けだ」という一辺倒の報道は、個人的には古いと感じています。政治空白を作らない、国益を考えた判断とは、ある種こういうことなのかなという気はしますが…。 TBS報道局 岩田夏弥 政治部長: 日米の関税交渉が続いている、それから中東情勢も緊迫しているときに政治空白を作るべきではないというのが野田さんの説明です。 そのなかで、自身が総理大臣経験者であることをわざわざ自分で言って協調していたのは、特に中東情勢に関しては「日本はアメリカとも話せるし、イラン、イスラエルともこれまで関係が築けている。今こそ日本がしっかりしなければいけない」ということです。 また、現地にいる日本人の退避についても、これからやらなければいけないかもしれない。とにかく、そういったなかで政治空白を作るべきではないということが野田さんの最大の説明でした。 出水麻衣キャスター: なぜこの時期の表明となったのでしょうか? TBS報道局 岩田夏弥 政治部長: 立憲民主党の中では(不信任案を)出すべきだという意見も結構出ていたわけですが、時間を置かずにあえて早く結論を出す、これでやるという説明をしたかったということなのでしょう。 でも野田さん自身は、この前の衆議院選挙で少数与党に追い込めたので、今度の参議院選挙でも過半数割れに与党を追い込む。その次の解散、衆議院選挙で政権を取る。そこはぶれていないということを強調しています。 今回、不信任案を出すべきだという党内の人たちに対してそういうメッセージを送り、沈静化もあわせて図っているという状況です。 井上キャスター: 国益を考えて、進めるところは進めるけれども、やはり対立して争っていかなければいけないところはある。そのバランスというのは、今後も腐心していくのだと思います。 ========== <プロフィール> 岩田夏弥 TBS報道局 政治部長 元官邸キャップ 小渕総理以来、主に政治取材を担当

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