［ペットライフ　交遊録］野口啓代さん＜２＞ 　今回は我が家の「三男」、マンチカンのラビ（オス、５歳）を紹介します。 　２０２０年当時、私たち夫婦は、サイベリアンのライ（オス、７歳）とラム（オス、７歳）との生活を楽しんでいて、３匹目は特に考えていませんでした。各地のペットショップに出かけては、「やっぱりうちの子が一番かわいい」なんて親バカぶりを発揮していましたね（笑）。 　ところが、たまたま立ち寄った東京・自由が丘のペットショップで見かけた１枚の写真に、私の目はくぎ付けになってしまったのです。ブルーの瞳にふわっふわな白い毛、折れ耳、短い足——。マンチカンの男の子です。 　まだ店頭デビューする前のタイミング。お願いして抱っこさせてもらった時には、「連れて帰る」と決めていました。迷っていたら絶対に会えなくなるって直感したんです。夫もその場でＯＫサイン！　「猫は何十匹いてもいいよ」といつも言っています。 　ラビと名付けたのは、ピンク色の鼻がラビット（ウサギ）を思わせたからです。さて、家に帰るとお兄ちゃん猫たちは、見知らぬ顔にお怒りの様子。「２人と２匹」の日常が急に変化したのだから当然です。 　最初は、どうしたものかと戸惑いました。そこで、３匹をそれぞれ違う部屋にローテーションさせながら遊ばせて「匂い交換」。トイレを共有したり、同じお皿でご飯を食べさせたりと多頭飼いのルールを色々と試してみました。すると、３日目にはすっかり仲良しになってくれました。 　当時は東京五輪前の大事な時期。３匹が私たちの家族になってくれたことで、生活にメリハリがつき、トレーニングや競技により集中できるようになったと思います。夫と共通の話題も増え、家に帰るのが楽しみになりました。 　ラビはおっとりさんで、あまり動きません。朝出かけて夜に帰宅すると、同じ場所にいるんです。日なたぼっこが大好きで、日中は窓際、夜は自分で見つけたお気に入りスポットにいることが多いですね。クローゼットの中など狭いところが好きみたいです。 　そんなラビの自慢は、後ろ脚だけで立つしぐさ。マンチカンの特徴である手足の短さのおかげもあると思いますが、その時のかわいさといったら！　最初の頃は、おやつがほしい時に、ちょっと背伸びをしていたんです。すると次第に、後ろ脚だけでバランスをとれるように。こうすればおやつがもらえるって覚えたみたいです。 　３匹が駆け回っている姿を見ていると、とてもほほ笑ましい気持ちになります。でも、全員長毛種なので、その後にはものすごい量の毛が散っています。掃除機がすぐに故障してしまうのが目下の悩み。彼らがいる生活の喜びに比べれば、小さなことなんですけどね。（プロフリークライマー） 家族旅行　大切な時間 　スポーツクライミング選手の夫、楢崎智亜（ともあ）は海外遠征が多く、家族全員で過ごす時間を大切にしています。その一つが旅行。近所に住む家族に猫たちの世話を託して出かけます。昨夏はパリ五輪に出場した夫の応援に娘と行きました。娘は２歳。成長はあっという間です。「今」を大事にしたいと思っています。