東京・大塚にある人気のおにぎり専門店。 切り盛りしているのは、新潟市出身の女性です。このおにぎりに使われているのが新潟県関川村で育てられたコシヒカリ。 生産者に感謝を伝えようと店のスタッフが関川村を訪れました。おにぎりを通して生まれる人と人とのつながりです。 「感謝」を配る 山あいの村を走っていく、一台の車。 向かったのは、田植えの時期を迎えた棚田。 車に積まれていたのは、感謝の印。 農家さんに配っている感謝の印とは、作りたての「おにぎり」。 朝から田んぼに立ち続ける人たちへ、直接手渡しする「おにぎりぼんご」の右近由美子さんとスタッフたち。 そこには、食事以上の詝想い詝が詰まっていました。 東京の人気店「おにぎりぼんご」 東京・大塚にある、長蛇の列ができる人気店「おにぎりぼんご」は、おにぎり一筋65年。 選べる具は、なんと56種類にもなります。 昔から変わらないのは、ひとつのおにぎりに、詝人を思う気持ちを込める”という姿勢。 この「ぼんご」のおいしさを支えているのが、関川村で育てられたコシヒカリ。 魚沼産や佐渡産と並ぶ優れた品質で、「岩船産コシヒカリ」としてブランド化されています。 店主は新潟市出身 お店を切り盛りしているのは、新潟市中央区出身の右近由美子さん。 19歳で上京し、気付けばもう、53年もおにぎりを握り続けています。 そんな店主・右近さんがふるさとでおにぎりを配ることにしたのは、新潟への特別な想いがあったからでした。 今年1月、「ぼんご」に伺い、その想いをお聞きしました。 おにぎりぼんご 右近由美子さん 「新潟の味を求めてここにきたんです、最初。東京に出てきて東京の寂しい食生活をずっとしてきましたけど。初めてここで『食の愛』に触れたんです。それがきっとご縁だったと思っています。私は片時も新潟のことを忘れたことはないです」 右近さんが関川村へ 田植えシーズンが到来した、新潟・関川村。 急いで会場へ入る右近さん。早速、おにぎりを作る準備に取り掛かります。 いつもと変わらない手さばきで、炊きたてのコシヒカリを、丁寧にほぐしていきます。 並べられたのは、おかか、梅、鮭、卵黄など、どれもお店で人気の具材ばかり。 黙々と握っていくぼんごスタッフたち。 その数は1時間でおよそ200個にもなりました。 おにぎりぼんご 右近由美子さん 「私、おにぎりを握っている時が一番好きかも。握っている時は楽しいですね」 具がたっぷりのおにぎり 「ぼんご」のおにぎりといえば、この溢れんばかりの具材。 実はこのボリューム、右近さんの「具はたっぷり入っているのが好き」という素朴な好みから生まれたものでした。 自分が食べて嬉しいものを、目の前のお客さんにも。 そんな思いが、ひとつひとつのおにぎりに込められています。 そして、200個ものおにぎりが完成し、次々と車に積まれていきます。 農家のもとへ おにぎり「ぼんご」を長年支え続けてくれている農家さんたちの元へ急ぎます。 実は今回、感謝の気持ちを込めたサプライズ訪問。 事前には知らせていません。 サプライズで農家訪問 おにぎりぼんご 右近由美子さん 「いつもおいしいお米を作っていただきありがとうございます。さっき作ってきましたので温かいうちにお召し上がりください」 農家 「ありがとうございます」 思いがけない訪問に驚く、農家の人たち。 おにぎりぼんご 右近由美子さん 「がんばって、またこれからもお米を作ってください。よろしくお願いします」 一人一人に感謝の言葉を添えて、おにぎりを渡していきます。 おにぎりぼんご 右近由美子さん 「関川村のお米で毎日、握っていますので。ありがとうございます」 農家の皆さん、少しずつ表情がほころび始めました。 その場でおにぎりを食べる農家の皆さん 「いただきます」 「最高！」 取材アナウンサー 「関川村のコメは何でこんなにおいしいのでしょうか？」 農家の男性 「人と同じじゃないかな。人も優しくて。人柄が出ていると思います」 農家の男性 「いただきます！うまい！」 ぼんごの皆さん 「（拍手と歓声）ありがとうございます！」 農家の男性 「最高です。おいしいです。まだ温かいです」 感謝の気持ちを込めて握った「おにぎり」。 そして、人と人とのつながりを感じた「味わい」。 作る人がいて、届ける人がいて、そしてその先にあったのは、「笑顔」でした。 おにぎりぼんご 右近由美子さん 「やっぱり違いますね。“笑顔のエネルギー”を込めて、その現場でお渡しするって、感動が違いますね」 Q.こうした皆さんがお米を作っているということがわかりましたね？ 右近由美子さん 「泣きそうになるくらい感動です。そのお米で商売させていただけるということが何よりうれしいことですね」 農家の皆さんを笑顔にした右近さんのおにぎり。 おにぎりぼんご 右近由美子さん 「（Q.今後の活動について）おにぎりは、人と人を繋げるものだと思っています。私は食のすばらしさを伝える人になります。食の楽しさ、作っている人の大変さを伝えていきたいです」 2025年6月17日「夕方ワイド新潟一番」放送より
