【ニューヨーク＝金子靖志】国連安全保障理事会は２２日、米軍によるイラン核施設への空爆を受け、緊急会合を開いた。 各国が米軍の攻撃に強い懸念を示し、国連のアントニオ・グテレス事務総長は「戦争か対話かの岐路に立っている。平和を諦めてはならない」と呼びかけたが、イランは報復を示唆。米国は報復があった場合、壊滅的な反撃を警告しており、事態はさらに悪化する恐れがある。 グテレス氏は冒頭、「報復の連鎖に陥る危機に直面している。これを回避するには外交が優先されなければならない」と強調。国連加盟国に対し「戦闘停止に向けた断固たる行動が必要だ」と呼びかけた。 中露などは、米国の空爆は「重大な国際法違反だ」などと名指しで非難。他国からは「軍事行動では、イランの核開発計画への懸念は解決できない」（英国）などと懸念の声が相次いだ。 イランのアミール・サイード・イラバニ国連大使は、「米国は核兵器取得を阻止するという捏造された口実の下、我が国に戦争を仕掛けた」と痛烈に非難。米国とイスラエルに対し、報復の「時期や規模はイラン軍が決定する」と述べた上で、「これまで数多くの敵と戦ってきたイランは、今回も世界に威厳と強さを示すだろう」と強調した。 これに対し、米国のドロシー・シェイ国連臨時代理大使は、イランは長年、「米国やイスラエルの『死』を呼びかけてきた」と指摘し、米軍の空爆は「テロ支援国家であるイランによる核の脅威を阻止することが目的だ」と強調。その上で、「イランが米国人や米軍基地を攻撃すれば、我々は壊滅的な報復攻撃を実施する」と警鐘を鳴らした。 イスラエルのダニー・ダノン国連大使は米国の空爆について、「世界が直面する最大の存亡の危機を取り除いた。米国の空爆は正義の行動だ」とたたえた。
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