新型日産リーフ新車情報・購入ガイド アジア勢BEVに勝る価格競争力に期待!

電気自動車界のパイオニアが日産リーフ 2010年12月、登録車では世界初となる量産BEV(バッテリー電気自動車)として登場した初代ZE01型日産リーフ(LEAF)。全長4,445mmというボディサイズで、Cセグメントのコンパクトカテゴリーに投入された。まさに、BEV界のパイオニアともいえるモデル。初代リーフはデビュー時、容量24kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、一充電走行距離(航続距離)は200�(JC08モード)だった。 そして、2017年10月には、2代目となるZE01型リーフが登場。幾度となく改良が施され、最終モデルでは容量最大60kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。一充電走行距離(航続距離)を450�(WLTCモード)まで伸ばしている。 3代目新型日産リーフの国内発売は、2025年秋頃? そして、2代目ZE01型リーフ登場から約8年。ついに、3代目となる新型日産リーフが登場する。3代目新型リーフは、2025年秋に北米での販売を開始を予定。日本での発売時期は2025年内とされているが、2025年10月30日から開催されるジャパンモビリティショー2025前後の発売である可能性が高い。 さて、2代目ZE01型リーフは、追浜工場で生産されていた。だが、3代目新型リーフからは、栃木工場での生産となった。 経営再建中の日産。国内工場の閉鎖もあるとしている。従来リーフを生産していたのは追浜工場。新型リーフからは、栃木工場へと移管。こうなると、ますます追浜工場の閉鎖の機運が高まっている。 SUVブームの影響を受け、クロスオーバーモデルとなった新型リーフ 新型日産リーフは、SUVブームの流れを受け、SUVとのクロスオーバーモデルへとシフトした。日本仕様のボディサイズは、全長4,360mm×全幅1,810mm×全高1,550mm。ホイールベース2,690mmとなった。先代ZE01型リーフのボディサイズは、全長4,480×全幅1,790×全高1,560mmなので、全高で−120mm、全幅+20mm、全高−10mmとなっている。SUVとのクロスオーバーモデルでありながら、低めの全高となった。これは、都市部に多い立体駐車場の高さ制限である1,550mm以下に対応させたことと、空気抵抗を意識した結果だろう。 クロスオーバーモデルとなった新型リーフの外観デザインは、「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」と呼ばれる日産のデザインランゲージをさらに発展させた。シンプルでありながら力強く、モダンな表現として、日本独自の美意識をデジタルな時代にマッチしたデザインされている。グリルレスのフロントフェイスは、いかにもBEV的だ。 また、ルーフラインはクーペ的。優雅な曲線を描き、リヤデッキへと伸びていく。サイドビューでは、格納式フラッシュドアハンドルが装備され、空気抵抗を減らすと同時に、よりシンプルで美しいシルエットとなった。 そして、リヤコンビネーションランプは、日産初となるLED 3Dホログラフィックを採用。後方からでも、ひと目でリーフと分かる美しさを演出している。 全高も低めのクーペルックで、もはやクロスオーバー感がほとんどないシルエットとなった新型リーフ。それには、訳がある。BEV故に、一充電走行距離(航続距離)は重要。そのため、電費をアップさせるため、徹底的に空気抵抗を減らしているのだ。空力を考慮したデザインは、ホイールやフラットなアンダーボディにも及ぶ。その結果、空気抵抗係数(Cd値)は日本・米国仕様で0.26、欧州仕様では0.25を達成している。 日産車初の調光パノラミックガラスルーフを装備 新型リーフには、CMF-EVプラットフォームが採用された。そのため、フラットなフロアと開放感ある前席の足元空間を実現している。インパネはは、12.3インチまたは14.3インチのデュアルスクリーン(グレード・地域により異なる)を統合したモノリススタイルのデザインを採用した。シフトノブなどが廃止され、スイッチタイプとなったことで、膝まわりはより広々とした空間となっている。 そして、新型リーフには、日産として初めて調光パノラミックガラスルーフを採用。電子調光技術により、ガラスの透明度を変えることで室内に入る光の量をボタンひとつで調整することができ、年間を通じて快適な室内環境を実現している。 空冷から水冷へ大幅進化したバッテリーの温度管理 新型リーフで大きく進化した部分が、駆動用の大容量リチウムイオンバッテリー。BEVでは、バッテリーの温度調整が非常に重要。そのため、従来の空冷式から水冷式となった。 先代リーフでは、空冷式だったため、猛暑ではバッテリーの温度が下がらず充電が十分にできなかったり、出力制限がかかったりといったトラブルが出ていた。水冷式になったことで、こうした心配から解消されることになる。 新型リーフには、52kWhと75kWhという容量をもつリチウムイオンバッテリーが2タイプ用意された。最高出力・最大トルクは、バッテリー容量によって異なる。52kWh仕様は130kW&345Nm、75kWh仕様は160kW&355Nmとなる。 どちらも、特別にパワフルという仕様ではないが、十分なスペックっとなっている。欧州のBEVは、後輪駆動ベースが多くなってきたが、新型リーフでは前輪駆動のみとなっている。現状、4WDの設定は無い。 今回搭載されたリチウムイオンバッテリーは、従来のラミネートタイプの発展形。温度マネジメント関連では、車載充電器(OBC)から発生する熱を利用してバッテリーを効率的に加温するなど、クルマ全体の冷熱システムを一括制御するエネルギーマネジメントシステムを搭載した。これにより、寒冷時の回生性能をとくに向上させることができるという。 さらに、ナビゲーションと連動したナビリンクバッテリーコンディショニングも採用。走行ルートに応じてバッテリーの温度を最適化する。 一充電走行距離は600�超!? 電費も向上 そして、気になるのは一充電走行距離(航続距離)。米国仕様の75kWhバッテリー搭載モデルは、EPA基準で最大303マイル(日本、欧州はWLTC基準で600km以上)を実現。先代リーフe+の一充電走行距離が450�(WLTCモード)なので、大幅に一充電走行距離を伸ばしている。 仮に75kWh車で600�という一充電走行距離だとすると、カタログ値での電費は8.0km/kWhになる。先代リーフe+だと7.5�/kWhなので、電費値も向上していることが分かる。車重が100�以上重くなっているのに、電費も向上しているのは、バッテリーの温度マネジメントによるものだろう。新型リーフの実電費は、最も大きな注目ポイントといえる。 そして、新型リーフでは、最大150kWの急速充電に対応したポートが搭載された。150kWの急速充電器は、まだとても少ないが、接続した場合、バッテリー容量が10→80%まで、最短35分で充電することができる。 BEVの心臓であるパワートレインは、新開発の3-in-1 EVパワートレイン(モーター・インバーター・減速機一体型)を搭載。従来モデルより10%小型化された。さらに、新しい高剛性モーターマウントにより、モーターの振動を従来比で75%低減している。元々、振動が少なくスムースなのがBEVの特徴。どれだけスムースになったのかも注目したい。 マルチリンク式リヤサスペンション採用で、優れた乗り心地と操縦安定性を手に入れた 新型リーフの走行面では、リヤサスペンションが先代リーフのトーションビーム式から、マルチリンク式へ変更された。マルチリンク式の採用で、より乗り心地が向上。ボディ剛性の向上により、横方向の剛性は先代リーフ比で66%もアップ。 新型リーフでは、モータードライブらしい瞬時に最大トルクを立ち上げ、BEVらしい力強さをアピールするモーター制御もより熟成。他のBEVとはひと味違うリーフらしい爽快な加速感も楽しみなポイントだ。 新型リーフでは、「V2L(Vehicle-to-Load)」機能を通じて、災害時やアウトドアアクティビティなどのライフスタイルをサポート。充電ポートに接続するV2Lアダプターから最大1,500Wの電力を出力することができる。災害による停電時やキャンプなどでは、新型リーフが電源車になる。日本仕様では「V2H(Vehicle-to-Home)」機能も継続して採用。V2H機器と接続することで、車両のバッテリーから家庭へ電力を供給したり、太陽光発電の電力を車両に蓄電することも可能となっている。 3代目新型日産リーフの新車価格を予想。アジア系BEVに勝る競争力はあるのか? そして、重要な新型リーフの価格は、現在のところ未定。先代リーフe+の上級グレード「G」の新車価格が5,834,400円。この価格をベースとすると、多くの新技術の投入やバッテリー容量のアップなどを含めると、新型リーフ上級グレードの価格は、700万円越え? と、思えるほど。 しかし、クラスが上のSUVであるアリアB6(66kWh)の新車価格が6,590,100円。アリアの価格を超えることは無いと考え、新型リーフ上級グレードの価格は600万円前後になるのでは? と、予想した。 ただし、BYDやヒョンデといったアジアのBEVに比べると割高感がある。新型リーフと同等サイズのSUV、ヒョンデ コナの上級グレード「ラウンジ」の新車価格が4,895,000円とリーズナブル。新型リーフは、アジアのBEV勢と同等レベルの価格競争力があるのかが、今後、販売台数に大きな影響を与えることは確実だ。 <レポート:編集部> 2代目日産リーフ長期評価レポート一覧 どっちがお得? 日産サクラvs中古日産リーフ徹底比較 日産リーフ新車情報・試乗評価一覧 ヒョンデ コナ動画・評価 フォルクスワーゲン ID.4試乗記・評価 BYD ATTO 3試乗記・評価 日産アリアNISMO(ニスモ)試乗記・評価 日産リーフ(北米仕様)電費、ボディサイズなどスペック 全長×全幅×全高  4,360mm(日本仕様)×1,810mm×1,550mm(日本仕様) ホイールベース  2,690mm 車両重量  1,794〜1982kg 荷室容量  420L Cd値  0.26 バッテリー容量  52.9kWh / 75.1kWh 最高出力  130kW(52.9kWh車) / 160kW(75.1kWh車) 最大トルク  345Nm(52.9kWh車) / 355Nm(75.1kWh車) 最高速度  160�/h 一充電走行距離 600�以上 駆動用主電池  リチウムイオンバッテリー 駆動方式   前輪駆動 サスペンション  前:ストラット、後:マルチリンク式 タイヤサイズ   215/55R18 または 235/45R19

もっと
Recommendations

約228万円! トヨタ「新カローラシリーズ」が“ハイブリッド車のみ”に一本化! お手頃価格の「ガソリン車」なぜ廃止? 販売店での反響とは!

「新カローラシリーズ」が“ハイブリッド車のみ”に一本化!2025年5…

ゴルフ R、ゴルフ R ヴァリアント、Tロック Rに“黒”をまとった限定車を追加|フォルクスワーゲン|

フォルクスワーゲン ジャパンは2025年6月20日、ゴルフ、ゴルフ …

女優「工藤夕貴」が愛車の「国産ミニバン」を“豪華ウッド仕様”に! 「涙が出ました」「素敵な旅を」の声も! 母のために作った「トヨタ車」とは

手頃に着脱可能なキャンピング内装を導入したことを報告

新たな高速道路「新湾岸道路」実現へ!? 東京と千葉をむすぶ新ルートがスゴい!「信号ゼロ」で都心へ行ける!? 便利すぎる新道路とは

京葉地域の道路を強化するため、悲願の事業化へ大きく前進中だという

マツダ「RX-7“パトカー”」登場!? 美しすぎる「最強の警察車両」が超カッコいい! クルマ好きも思わずウットリな埼玉県警「幻の“FD3S”」公開

いまや「お宝級」な「FD3Sパトロールカー」を展示2025年6月14日、埼…

トヨタ新型「ハリアー」!? デビュー5年目の「大人気クロスオーバーSUV」は斬新「サメ顔」に!? まもなく感ある「新モデル」を大胆予想したCGが登場

新型ハリアー!?トヨタの上級クロスオーバーSUVである「ハリアー」。…

日産「新型パトロール“NISMO”」初公開! 迫力エアロ&高性能エンジン採用!? ジムニー超え「地上高」と全長5.3m級のビッグボディ採用した「ハイパフォーマンスSUV」中東で世界初公開へ

日産「新パトロールニスモ」初公開2025年6月20日、日産の中東法人…

元グラドル「筧 美和子」が“約890万円”の「高級ハイエース」を!? 角目の旧車デザイン「プロボックス」も合わせて検討! 「ありありのありです」と声上げる「商用車たち」とは

「キャンプを始めたい」筧さんが興味を持ったクルマとはタレントや…

全長3.7m! トヨタ「一番小さいSUV」がスゴい! 斬新イエロー採用の「GRスポーツ」登場! 初のハイブリッド搭載で加速感ヤバい「アイゴX」欧州仕様とは!

フロントマスクが新しくなり、ダイナミックさも感じられるデザインに

ダイハツ新型「軽ワゴン」まるで“ソファ”な前後シートがスゴい! めちゃ広い&高級感あふれる新型「ムーヴ」のインテリアってどんなもの?

まるで“ソファ”な前後シートがスゴい!ダイハツの軽ハイトワゴン…

loading...