【テヘラン＝吉形祐司、ワシントン＝池田慶太】イラン外務省報道官は２２日、米ＣＮＮのインタビューで、米軍によるイランの核施設への攻撃を巡り、「イランには自衛権を行使する権利がある。間違いなく行う」と述べ、報復の構えを示した。 　トランプ米大統領は２２日、イランの体制転換に言及し、揺さぶりを強めた。 　イラン外務省報道官はＣＮＮに対し、「この紛争の結果の責任は米国とイスラエルが負わなければならない」と主張した。アッバス・アラグチ外相は２２日、滞在先のトルコでの記者会見で、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖する可能性について問われ、「我々には様々な選択肢がある」と述べ、否定はしなかった。海峡が封鎖された場合には原油価格の上昇に伴う世界経済への影響が懸念される。 　米軍は現地時間２２日未明にイランの核施設３か所を空爆した。米メディアによると、米軍のイラン本土攻撃は初めて。作戦で地下貫通型の大型爆弾「バンカーバスター」を投下したＢ２爆撃機は米東部時間２２日にミズーリ州の軍基地に帰還し、トランプ氏は「素晴らしい仕事」への謝意をＳＮＳに投稿した。 　バンス米副大統領はＮＢＣテレビの番組で、「イランの核開発計画を大幅に後退させた」と主張し、イランが核兵器を開発できるまで「何年もかかる」との見解を示した。攻撃後の演説でイランのウラン濃縮施設を「完全に壊滅」させたと主張したトランプ氏の発言を軌道修正した。 　トランプ氏は２２日、ＳＮＳで「『体制転換』という言葉を使うのは政治的に正しくないが、現在のイラン政権がイランを再び偉大にできないのなら、なぜ体制転換が起きないのか」と主張した。バンス氏らが求めないとする体制転換に触れることで、核開発放棄の交渉を迫る狙いとみられる。 　一方、イスラエル軍は２２日、戦闘機約３０機でイラン中部ヤズドを含む全土の軍事施設数十か所を攻撃したと発表した。地対地ミサイルを保管するミサイルの発射拠点を標的とした。軍参謀総長は、米軍の加勢で「作戦は転換点に達した」としつつ、攻撃継続の構えを示した。