静岡･藤枝市を中心に志太地域で見られる食文化朝ラーメン 略して朝ラー。 元々は、早朝から働くお茶の関係者が、仕事帰りの朝食にラーメンを食べるようになったのが始まりと言われています。 当時は、魚介系のさっぱりスープのものが中心で、「朝から食べても胃にもたれない」と人気が広まったのです。 現在でも朝から営業しているラーメン店は、藤枝、焼津、島田などを中心に多く見られますが、最近では、静岡県内のそれ以外の地域でも「朝ラー」が楽しめる店が見られるようになってきました。 なぜ、今、朝からラーメンが人気なのでしょうか？ （客） 「気持ちが高まるというか、仕事頑張ろうという活力につながっているので」 さらに、「朝ラー」を提供するラーメン店の店主は…。 （店主） 「昼に食べるというイメージの物が、朝食べられるというだけでみんな幸せになるので」 「every.life」は、広がりを見せつつある「朝ラー」。なぜ朝からラーメンを食べたくなるのか？その人気の秘密と、こだわりの味に迫ります。 早朝6時過ぎの用宗漁港。港の目の前にある「用宗みなと横町」に朝ラーのお店があります。 それがこの「RAMEN SHIGENO」。わずか6席しかない小さな店のため、朝7時の営業開始を前に、平日は朝5時半から、土日は何と朝4時半から、順番待ちの受け付けをしています。そこまでしてでも食べたい一杯らしいのですが…。 （RAMEN SHIGENO 代表 重野 央成さん） 「おはようございます」 午前7時の営業開始とともに、待ちに待った客が店内へ。 ここでは朝と昼の2部制で営業していて、メニューもそれぞれ異なります。 「朝ラー」で提供されているのは、濃厚な煮干しスープにもっちりとした食感のストレート麺を合わせた、名物の「焙煎煮干し中華そば」。 トッピングはミョウガ、大葉、九条ネギ、小松菜などで、仕上げに鯛の脂を一回しして完成。四万十ポークのチャーシュー以外、動物性の素材を極力使っていない、朝に食べてもとても優しい1杯です。 （市内からの客） 「ここのラーメンは固定概念を壊してくれる」 他にも、1～2週で変わる限定のメニューもあり、この日は「冷やし中華」を現代風にアレンジした「Neo冷やし中華」。具材は、そのまま食べてもも楽しめるように大きめにカットされていて、黒酢を使った熟成醤油の特製ダレと全粒粉入りのツルモチ食感の麺は相性抜群です。 （地元客） 「ハリコシがすごくておいしい」 （市内からの客） 「普通の冷やし中華よりパンチがある」 さらに、用宗漁港が目の前ということで、「ミニ釜揚げしらす丼」もあり、オプションの「黄身醤油」はほとんどのお客さんが追加しする人気ぶりです。 ところで、この店は、元々オムライスのお店としてスタートしましたが、朝だけラーメンの提供を始めたところ、その人気がすさまじく、4月からは、なんと、ラーメン専門店へリニューアルしたのです。 （RAMEN SHIGENO 代表 重野 央成さん） 「お客様がオムライスよりもラーメンの方を求めて来て下さるようになって、自分自身もラーメンが好きなので、思い切ってラーメン1本にしようという…私自身が藤枝市の出身になりまして、朝ラーメンの文化がある地域で生まれましたので、少しでもこの静岡市の人に朝ラーメンの文化を広げていきたいという思いで始めました」 「朝ラー」を食べ終えたお客さんは。 （市内からの客） 「気持ちが高まるというか、仕事頑張ろうという活力につながっているので」 Q.因みにきょうはお仕事ですか？ 「もちろんです 仕事です、はい」」 （市内からの客） 「自分がラーメンが好きというのもあるのですけれども、やはり、1日の始まりとして、しっかり食べて1日元気よく乗り切ろうという感じですね」 続いての「朝ラー」の店は、沼津市内から伊豆方面に向かう国道414号沿い。「うまいもの街」に2024年1月にOPENした「咲うラーメン屋さん麺屋義流～第2章～」。 オープンは朝７時半ですが、どうしてそんなに早くから営業しているのでしょうか。 店主の秋元さんは…。 （麺屋義流 店主　秋本 義一さん） 「朝ラーメンがすごく好きなんですよ。昼に食べるというイメージの物が朝食べられるというだけで、やはり、みんな幸せになるんで」 朝7時半、開店を待ちかねた客が、次々とお店に吸い込まれて行きました。 （清水町からの客） 「いや、ここのいつ食べてもおいしいんだけど、とりあえず朝から元気出るかなって」 （地元客） 「自分が福島出身なので朝ラーメンの文化があるので、それが静岡には余りないので」 （地元漁師） 「仕事終わる時間がちょうどこの時間で、やっている店があまりないもので」 そんなこの店のイチ押しのラーメンが…。 （麺屋義流 店主　秋本 義一さん） 「お待ちどうさまです。ウチの鶏白湯は、濃厚というよりクリーミーさを売りにしていまして、そのウチのクリーミーさが一番引き立った一番のスープでざいます」 （熱海からの客） 「その名の通りクリーミーでコクがあり、のど越しも爽やかで朝食べるには最高」 （地元漁師） 「鶏白湯のクリーミーさが、結構、自分は好きで来ちゃいますね」 中には朝限定のメニューも用意されていて、それがこの「沁みるラーメンの醤油」。シジミとアサリと鶏ガラのスープに細麺を合わせた、朝から食べても胃にとてもやさしい一杯です。 さらに、最近メニューに加わったばかりという「卵かけ麺」も。汁なしそばに卵をのせて醤油ダレをかけ、ネギや鰹節をトッピングします。まさに卵かけご飯のラーメン版といった感じで、朝との相性もばっちり。 さらに、朝食らしさがひかる、朝限定の「納豆チャーハン」も人気です。 秋本さんにお店の今後についてうかがうと…。 （麺屋義流 店主　秋本 義一さん） 「朝ラーメン7時半からなのですけど、釣り行く人たちは7時半ではちょっと遅いんですね。なので、夜中の4時から開けて港で働く人たちとか釣り船に乗って帰ってくる人たちとかにもっと食べてもらえるような時間帯で、4時ぐらいから開けてみたいなという思いがあります」 ますます広がりを見せる「朝ラー」。店ごとに日々進化していて、自分好みの朝とラーメンのマッチングを見つけてみるのも楽しいかもしれません。