霊媒師を名乗る男が20代の女性に性的暴行を加えたとして逮捕されました。男は「体を使ったおはらいをしないと霊がはらえない」と言って犯行に及んだとみられています。 警察官に連れられ、車に乗り込む男。不同意性交の疑いで逮捕された岩手県奥州市の職業不詳、佐藤晋悦容疑者（28）です。 車内では下を向き…ほほえんだような表情も。 今年3月、東京・新宿区のマンションで、20代の女性に性的暴行を加えた疑いがもたれています。 佐藤容疑者は“霊媒師”を名乗っていました。 佐藤容疑者 「体を使ったおはらいをしないと霊がはらえない」 24日夜、佐藤容疑者の父親が取材に応じました。 佐藤容疑者の父親 「（Q．息子さんは霊媒師と名乗っていた？）ないないない。なんでそんなことやったのか。本人から聞かなきゃ私もわからないね」 佐藤容疑者の父親 「（Q．どういう方？）素直だし本当。いつも優しくて朗らか。朝、新宿のほうから警察がここにきて、19日はちょうど息子の誕生日だった。ショックでしょうがなかったですね」 いったい何があったのか。 警視庁によりますと今年3月、SNSを通じて女性に接触したという佐藤容疑者。男性だと警戒されると思い、最初に名乗っていたというのが架空の人物、「かな」。 ライブ配信をしていた20代の女性に対し—— 佐藤容疑者（「かな」を名乗る） 「投稿を見たときに良くないものが見えたのでDMしました。男性の生き霊ついています。正直かなり危険な状態で、はらわないとまずいです」 などとメッセージを送ったといいます。 さらに—— 佐藤容疑者（「かな」を名乗る） 「このことは絶対に誰にも話しちゃダメです。生き霊がすぐそばにいるから話しちゃうと大変なことになるので普通のお寺とか神社でははらえないです」 “生き霊がそばにいる”として誰にも言わないよう“口止め”も。 そして—— 佐藤容疑者（「かな」を名乗る） 「私の知り合いではらえる人がいて、その人しかはらえないと思います」 架空の人物「かな」の知り合いの霊媒師として、自らを女性に紹介した佐藤容疑者。 自身は、「かな」のいとこで、“芸能人専門の霊媒師”などと名乗った上で、ビデオ通話で—— 佐藤容疑者 「ずっとあなた以外の話し声が聞こえる。霊がつきすぎていてあなたの顔が見えない。女の子の霊を怒らせてしまって、クローゼットの方からにらんでいる。あなたには霊がつきすぎているから、直接あなたの家に行ってはらわなければならない」 直接家に行きおはらいすることを提案したといいます。 こうしたSNSでのメッセージやビデオ通話をした当日の今年3月7日の夕方、自称「霊媒師」の佐藤容疑者は、住んでいる岩手県奥州市から東京都内へ。 このときの佐藤容疑者の交通費2万7000円は女性が支払ったといいます。 父親によると東京に行った日、佐藤容疑者は「仙台に行く」と言っていたといいます。 佐藤容疑者の父親 「どういうわけで東京まで行ったかさっぱりわからない。本当に私はすみませんと親として謝ります」 女性が都内の駅まで迎えに行き対面したときにも、佐藤容疑者は—— 佐藤容疑者 「あなたの顔が見えないほど霊がついている。生きているのが不思議なくらいだ」 その後、新宿区にある女性の自宅マンションに向かうと、“本物の霊媒師”と信じ込ませるような言動を重ねたといいます。 女性をベッドに座らせると、除霊としてお経のようなものを唱えたり、実在する宗教団体のたすきを身につけ、経典を女性の体に巻き付けたり。 さらに、自分で作ったものかどうかはわかっていませんが、“1級霊媒師のバッジ”も見せてきたという佐藤容疑者。 そして—— 佐藤容疑者 「体を使ったおはらいをしないと霊がはらえない。体を使った除霊方法は本当にある」 “除霊”と称し、性的暴行を加えたとみられています。 さすがに不審に思ったのか、20代の女性が、拒絶すると…。 佐藤容疑者 「せっかく君のために来たのに死んでもいいのか。自分だってあなたの顔が見えていないのに、好きでこの方法でやるわけじゃない」 不安をあおるような言葉を重ねたということです。 佐藤容疑者は3月7日から9日にかけて女性のマンションに滞在。複数回性的暴行を加えた疑いがもたれていて、女性はその翌日の10日に交番に行き、相談したということです。 去年の夏頃から霊が見えるようになり、霊媒師として活動していると話しているという佐藤容疑者。6年ほど前に佐藤容疑者と知り合ったという友人は—— 佐藤容疑者の友人 「面白い子でめちゃめちゃ盛り上げてくれたりとか。ムードメーカー的な存在。ころころ仕事は変えたりしていた」 佐藤容疑者は友人にも“霊が見える”と話していたといいます。 佐藤容疑者の友人 「今でも（霊が）見えたりとかたまにするみたい。知り合いの除霊師みたいな人がいて、連絡とったりしてその人に相談したみたい」 佐藤容疑者の仕事について父親は—— 佐藤容疑者の父親 「JAの野菜の選別やったり、農業の勉強しに行くって福島に行って、JAにまた帰ってくると考えていたけどわからない」 佐藤容疑者は調べに対し—— 佐藤容疑者 「女性の家に行き、女性についている霊をはらうために、家に塩を置いたり、お経を読んだりしたことは間違いないが、性的な行為は一切やっていない」 容疑を否認。 これまでオンライン画面を通じておはらいをしたことはあったものの、直接会って霊をはらったのは今回が初めてだと話しているということで、警視庁が詳しく調べています。 （6月24日放送『news zero』より）
