1年間に約50億個。これは、2023年度に宅配便が取り扱った荷物の数です。 トラックドライバーの人手不足が深刻化する中、不在などで受け取れなかった場合に、もう1度届けてもらう「再配達」が課題となっています。 国土交通省は26日から検討会を開き、「置き配」を基本ルールとすることも検討するということです。小栗泉・日本テレビ特別解説委員が解説します。 　　　◇ 小栗泉・日本テレビ特別解説委員 「今年4月の『再配達率』は8.4％で減少傾向にはありますが、政府目標の『今年3月末までに6％』には届きませんでした」 「そこで、置き配を基本ルールとすることを検討し、手渡しについては追加料金を取ることも検討する可能性があるということです」 「この『置き配を基本ルール』とすることについて、『news zero』が番組のXでアンケートを行ったところ、『賛成』は30％、『反対』は70％でした」 小栗泉・日本テレビ特別解説委員 「コメントの中には『配達員の気持ちを考えると置き配が基本でいいのでは』『盗難の不安もあるので、対面か置き配か選びたい』『置き配で第三者に名前や住所を見られることに不安がある』といった意見がありました。この点、街でも聞いてみました」 ──置き配、すでに利用している？ 公務員（50代） 「（置き配）利用しています。再配達もコストかかると聞くし、運転手さんのことを考えると仕方ないかな」 会社員（20代） 「（置き配は）利用していない。（荷物を）取られてしまったり、別の方が勘違いして回収される可能性もある」 大学生（19） 「手渡しよりも効率がいいかなと（賛成）。（風で）荷物が飛ばされたことがあって、なくなったりしたら怖い」 小栗泉・日本テレビ特別解説委員 「皆さん、基本的には置き配が便利だとしながらも『個人情報が知られてしまう』『荷物を盗まれる』『雨風にさらされる』といった声も聞かれますので、検討会ではこうした不安にこたえる議論をしてほしいですね」 藤井貴彦キャスター 「いろいろな意見がありますが、板垣李光人さんはいかがですか？」 板垣李光人さん（俳優・『news zero』水曜パートナー） 「僕は日用品もネットで買うこともありますし、置き配も利用するので、基本ルールにすることには賛成です。ただ、玄関の前にずっと荷物が置いたままになっている様子を見ると『大丈夫なのかな…』とこちらが不安になることもありますし、その人が住んでいる住宅の形態によっても心配事は変わってくると思います。『宅配ルール』の見直しをきっかけに、利用者側、そして配達側にとってもベストな選択ができるようになったらいいなと思います」 藤井キャスター 「ただこうした議論のきっかけというのは、今のままでは、宅配システムが限界を迎えてしまうという点からなんですよね。どうしたらいいのでしょうか？」 小栗泉・日本テレビ特別解説委員 「流通経済大学・板谷和也教授は『昔は郵便配達も手渡しだったが、郵便受けが普及したことで不安を感じなくなった。なので、置き配を普及させるためには、宅配ボックスなどの義務化などが求められる。また、今一番お金をかけるべきは再配達で、100〜200円の手数料を取っても良いのでは』と話していました」 藤井キャスター 「検討会は配送・配達の効率化について、秋にとりまとめたいとしています」 （6月25日放送『news zero』より）