県産品のＰＲなどを通じて福島の復興を応援してきた人気アイドルグループ「ＴＯＫＩＯ」の解散が２５日に発表され、県内の関係者からは驚きや戸惑いの声のほか、これまでの活動への感謝の言葉が聞かれた。 　ＴＯＫＩＯは原発事故前、テレビ番組の企画で、浪江町津島地区につくった「ＤＡＳＨ村」で農業に取り組んだ。これが縁になり、原発事故後には、風評払拭（ふっしょく）に向けて県産の農林水産物をＰＲする県のＣＭに起用されてきた。２０２１年には県が「ＴＯＫＩＯ課」を設け、連携して福島の情報発信に取り組んでいた。 　解散発表を受けて県はコメントを発表した。「ＴＯＫＩＯがこれまで本県の復興に果たしてきた役割は大きい」とした上で「今後も風評払拭と風化防止を一層進めていく観点から、城島茂氏と松岡昌宏氏には解散後も変わらず県を応援していただきたい、力を貸していただきたい」とした。 　原発事故前に津島地区で酪農を営み、番組に何度か出演した男性（６５）は「農業の魅力や田舎の良さを全国に発信してくれた。解散しても功績は忘れない」と寂しがった。津島地区の５０歳代男性は「福島が風評被害に苦しんでいたときに力になってくれた。ＴＯＫＩＯが福島のことをテレビで発信してくれるたびに誇らしい気持ちになれた」と語った。 　ＴＯＫＩＯが２２年に西郷村に開いた活動拠点「ＴＯＫＩＯ—ＢＡ（トキオバ）」は、国分太一さんの活動休止が今月２０日に発表されて以降、休止・休園している。この日の夕方もほとんど人の姿は見られず、ひっそりとしていた。 　トキオバで昨年８月行われたヨガの企画で講師を務めた女性（４５）は「今年もトキオバで何かできないかと考えていたので、残念な気持ち。関わっていたファンや地元の人は再開を待っているのでは」と心配した。 　西郷村の高橋広志村長は「突然の解散報道に非常に衝撃を受けた。（トキオバが）ようやく軌道に乗り始めた矢先の出来事に残念としか言いようがない」とコメントを出した。