有職菓子司として、京都で約300年以上歴史を歩んできた笹屋伊織と、JAL(日本航空)がコラボレーションし、地域の一次産業の活性化と和菓子職人の育成に取り組んでいる。 1716(享保元)年創業、笹屋伊織別邸・イオリカフェ(京都市下京区) 全国流通が難しい食材や廃棄予定の食材を活用し、新たな価値を創出する和菓子を共同開発。昨年(2024年)8月、奄美大島のドラゴンフルーツを使用した生菓子に続く第二弾は、『美方大納言の笹丸もなか』。 6月26日(木)から、限定1000個を笹屋伊織直営店や店舗が入る百貨店(全国計27店舗)で販売している。 笹屋伊織『美方大納言の笹丸もなか』※画像提供・笹屋伊織 『美方大納言の笹丸もなか』はJAL客室乗務員のアイデアから生まれたスイーツのブランド「JAL Sweets Box with JAL cabin attendant 」として展開する。 また、JALグループでは2020年、地域の活性化のために現地に移住し、社内公募で選ばれた客室乗務員で構成される「JALふるさとアンバサダー」という制度を立ち上げている。 コウノトリ但馬空港での“コウノトリ号”(兵庫県豊岡市)※画像提供・日本航空 今回の商品開発では、JALのパートナー企業、JA たじま(たじま農業協同組合 本部・兵庫県豊岡市)、農協観光(本社・東京都大田区)と笹屋伊織が連携し、 兵庫県但馬地方の北西部に位置する美方郡(香美町・新温泉町)で生産される「美方大納言小豆」を和菓子職人が丁寧に炊き上げた粒あんが詰まったもなかが誕生した。 産地や生産量が限られ、希少な美方大納言小豆 ※画像提供・JAたじま 「美方大納言小豆」は、産地・生産量が限られ、希少な品種。 生産者や生産量が少なく販路が限られ、大半が但馬地域での消費にとどまっているため、知名度アップが課題となっている。 『美方大納言の笹丸もなか』は、笹屋伊織の伝統ある紋章をかたどった、外側のもなかの皮は、職人が1枚ずつ直火で焼き上げており、深い味わい。 しっかりとした粒感と上品な甘さの粒あんが贅沢に挟まれている。 笹屋伊織『美方大納言の笹丸もなか』※画像提供・笹屋伊織 1716(享保元)年創業の笹屋伊織は、宮中や公家、寺社、華道家元などの御用達として歴史を重ねてきた。 十代目女将・田丸みゆきさんは「『京菓子』のように、菓子の前に地名が付くのは京都だけ。1200年の都で、宮中や公家の要望に合わせ、絶えず新しいものを作り、菓子職人の腕が磨かれてきた」と語る。 同社では2022年、「胡麻鼓」がJAL国内 線ファーストクラスの茶菓として、昼食時に提供されていた。 笹屋伊織 十代目女将・田丸みゆきさん 京都御苑・近衞邸休憩所 SASAYAIORI+ 京都御苑にて JAたじまの担当者は、「丹精込めて作られた商品は、美方大納言小豆の粒も感じられ、口どけが良く、濃厚。もなか生地の中に羊羹が入っているような食感」と高く評価している。 開発にたずさわった笹屋伊織・和菓子職人は、美方大納言の味の深みを最大限生かすことにこだわった。 JALふるさとアンバサダー・石井千春さんは「美方大納言小豆は粒が大きく、色鮮やかで煮崩れしにくいのが特徴。 甘さ控えめの粒あんが、もなかにぎっしり詰まっていて、大粒の小豆の食感も感じられる」と太鼓判を押す。 JALふるさとアンバサダー・石井千春さん 『美方大納言の笹丸もなか』 販売スタート 2025年6月26日(木) 販売店舗 笹屋伊織直営店(約27店舗) 価格 1個300円(税別) ※限定1000個(なくなり次第修了)