鳥取県は２６日、今年３月に開館した県立美術館（倉吉市）が所蔵しているアンディ・ウォーホルの「ブリロの箱」について、保有の是非を問う来館者対象のアンケート結果を公表した。 約６割が保有に前向きな回答で、県は３年程度の予定だったアンケート期間の短縮を検討する。 「ブリロの箱」は、たわしの包装箱を模倣した木製の立体作品で、県が５点を計約３億円で購入したことで話題となった。県民から「見ても価値がわからない」などと否定的な意見もあり、開館日からアンケートを実施している。 「ブリロの箱」は開館記念展で１５日まで展示。アンケートは８日までに３００６人が回答した。「今後も保有・展示を続けてほしい」が１１９８人（３９・９％）、「もっと説明を充実させて議論が巻き起こるようにしてほしい」が６８０人（２２・６％）、「疑問を感じたので保有を続けるかどうか検討してほしい」が５６７人（１８・９％）だった。 自由記述欄には「当たり前や既成概念への批判的再考につながる」と評価する意見のほか、「なぜ県立美術館にあるのか解説してほしい」「もっと県ゆかりの作品を集めてほしい」と求める声もあったという。 保有に前向きな回答が６割程度で推移しており、県はアンケート期間の短縮を検討する。斎藤正樹副館長は「美術館や作者の狙い通り、作品に疑問を持つ人が増えている。作品の良さも伝わっている」と話した。「ブリロの箱」は今後もコレクション展などで展示される。
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