「駐車禁止“除外”」標章を「不正利用」して逮捕! 「駐車場代を節約したかった」 過去には“元力士”が検挙された例も… 本来の「歩行困難者使用中」標章はどんな制度なのか

不正利用での逮捕事案も多数  亡くなった親族の「駐車禁止除外指定車標章」を偽造して使用したとして、都内に住む男が逮捕されました。  一体何があったのでしょうか。 パトカーのイメージ(画像:PIXTA) 【画像】「えっ…」 これがコインパーキング代をケチった「駐車違反車両」です! 画像で見る  この事件は、歩行困難な身体障害者などに交付される「駐車禁止除外指定車標章」を偽造して使用したとして、偽造有印公文書行使の疑いで東京都港区の68歳の男を逮捕したというものです。  男は、亡くなった母親に対して正規に交付された駐車禁止除外指定車標章の「発行年」と「有効期限」を偽造し、今年の3月から4月にかけて、港区内のコインパーキングに駐車した際に、標章を車外から見えるように掲げていた疑いが持たれています。  警察の調べに対し男は、「偽造した標章を使って駐車していたことは間違いない」と容疑を認めた上で、「母が亡くなった後、標章の期限が切れていることに気づいた。駐車場のお金を節約したかった」などと供述しているといいます。  警察は、男がこれまでに偽造標章を使って違法駐車を繰り返していたとみて、詳しく調べる方針です。  そもそも「駐車禁止除外指定車標章」とは、障害で歩行に支障がある人からの申請を受けて、公安委員会が交付するものです。  この標章をダッシュボードやフロントガラスなど車内の見やすい場所に掲出しておけば、道路標識によって駐車禁止となっている場所にクルマを駐車しても、駐車禁止規制の対象から除外され、交通取り締まりを受けずに済みます。  さらに、パーキングメーターやパーキングチケット発給設備のある時間制限駐車区間に駐車した場合についても、駐車時間の制限がなくなるほか手数料が免除されます。  歩行困難な人が駐車場所から目的地まで移動する際の身体的な負担を軽減するためのもので、具体例を挙げると、病院やスーパーの近くにある駐車禁止の道路において標章を掲示しておけば、道路上での駐車が可能です。  しかし最近は、障害を持っていない人が駐車禁止除外指定車標章を車内に掲出して違法駐車を繰り返すなど、制度を悪用する事例が後を絶ちません。  2025年4月には東京都渋谷区の路上で、亡くなった親族の標章を使って不正に路上駐車をおこない駐車監視員の業務を妨げたとして、東京都目黒区の男が偽計業務妨害の疑いで逮捕されています。  また2025年2月には、元力士の男が東京都墨田区内の道路において、別の男性名義の標章をカラーコピーして作った「ニセ」の標章を車内に掲出していたとして、偽造有印公文書行使の疑いで警察に逮捕されています。  元力士の男は「駐車違反の取り締まりを免れるためだった」と供述し、偽造した標章を使って違法な路上駐車を繰り返していたものとみられます。  なお駐車禁止除外指定車標章は、交付を受けた本人が運転して駐車したときや、他の人が交付者本人を同乗させて運転し駐車したときなど、本人が車両を使っている場合に利用できます。  そのため、家族が交付者本人を自宅に残して食事や買い物に行くといったケースでは標章を利用できず、路上駐車をすれば駐車違反の取り締まりを受けたり、不正利用として標章の返納を命じられたりする可能性もあります。  また、標章を掲出しているからといってどのような場所・駐車方法でも許容されるわけではありません。  駐車禁止規制から除外されるのは、あくまで道路標識などによる駐車禁止場所や時間制限駐車区間であり、交差点や横断歩道付近、路側帯内などは駐車してはいけません。  加えて、たとえ時間制限駐車区間であっても、駐車枠内に収まっていなければ駐車違反とみなされるケースもあります。  正規に標章の交付を受けて利用する場合も、駐車場所や駐車方法には十分注意すべきです。 ※ ※ ※  駐車禁止除外指定車標章の不正利用に関しては、身体障害者などから「肩身が狭くなる」、「周囲に不正利用と思われるのではないかと不安」といった声が寄せられています。  標章を正しく必要とする人のため、今後は不正利用に対する取り締まりを一層強化することが求められます。

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