トヨタ「“新型”bB」まもなく登場!? 全長4mの元祖「“ワル系”箱型ワゴン」復活? めちゃ“拡張”するバン「カヨイバコ」市販化に期待大

「拡張可能なベースユニット」という発想  2023年秋に行われた自動車ショー「ジャパンモビリティショー(JMS)2023」でトヨタが披露した「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」。  単なるデザイン提案にとどまらず、極めて本質的な自動車観の転換を示すモデルとして大きな注目を集めました。 フロントに「bB+ CONCEPT」の文字が点灯する「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」カスタム仕様 【画像】超カッコいい! これがトヨタの「“新型”bB」!? 画像で見る(30枚以上)  カヨイバコという独特な名称は、トヨタ生産方式(TPS)で実際に用いられている部品運搬用の「通い箱(通函)」に由来します。  必要なものを効率よく運び、無駄を排した柔軟な標準化思想を、クルマそのものに拡張した発想です。  これにより、カヨイバコは単なる移動手段ではなく、生活やビジネスのあらゆる局面に柔軟に適応する“モビリティの素地”として設計されています。  この思想を象徴するのが、トヨタが掲げる「超拡張性能」というキーワードです。  カヨイバコは完成品としての完成度を競うのではなく、ユーザーが目的に応じて自由に形を変え、用途を追加できる「拡張可能なベースユニット」と位置付けられています。  パワートレインは、床下にバッテリーを敷き詰め、コンパクトなモーターを備える、いわば「スケートボード型アーキテクチャ」といえるプラットフォームが、低重心と大空間化を実現しています。  内装はもちろん、外装やシステム機能まで含めてカスタマイズ可能な柔軟性を備えます。  活用提案も非常に多彩です。  物流用途ではラストワンマイル配送の小型商用車として、商品陳列棚を積めば移動販売車として、また座席アレンジ次第ではコミュニティバスや福祉車両、さらには車中泊やレジャー仕様まで幅広く対応可能とされています。  まさに「何にでもなれるクルマ」という新しい価値観を体現しています。  外装デザインは、その思想を反映した徹底したミニマリズムが貫かれています。  全長3990mm×全幅1790mm×全高1855mmというコンパクトな車体に、極端なまでの箱型フォルムが与えられました。  センターピラー(Bピラー)を廃した構造により、大開口のサイドドアが実現され、人も荷物も自由に出入りできるアクセス性が確保されています。  特徴的なのが左右非対称のドア配置です。  助手席側は前ヒンジドアと大型スライドドアの組み合わせで広大な開口部を生み出し、運転席側は前ドアのみという片側設計となっています。これは商用用途などを想定した合理的設計といえます。  意図的に個性を排した“白紙のキャンバス”のようなスタイリングは、ユーザーによる多彩なカスタマイズの余地を残す設計思想の視覚的表現といえます。 「究極の“ハコ”」市販化も間近!?  カヨイバコは、インテリアも極限まで削ぎ落とされました。  完全フラットなフロアが確保され、BEVならではの低床・広大な空間効率が実現されています。 トヨタ「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」は拡張性大!  ダッシュボードは存在せず、室内幅いっぱいに広がる横長ディスプレイと、フロントウィンドウ下の追加ウインドウによる開放的な視界が特徴です。  操作系はステアリング周囲に集約され、ユーザーの乗り方に合わせた自由度が最大限追求されています。  そして最大の見どころとなるのは、驚異的な空間効率です。  約4mという全長ながら、標準ボディの「ハイエース」を超える荷室長を確保できる設計が可能とされ、BEVアーキテクチャの恩恵が極限まで発揮されています。  内燃機関車では不可能だったこの設計自由度こそが、カヨイバコの最大の特徴です。  ただし市販段階では、現実的なハイブリッドパワートレインの搭載が検討されている可能性も否定できません。  もしハイブリッドがあれば、BEV普及が地域やユーザーニーズによってばらつく現実を踏まえた「マルチパスウェイ戦略」に沿ったトヨタらしい選択になるでしょう。  興味深いのは、このカヨイバコが「bBの精神的後継」と位置付けられている点です。  プロモーション映像では「bB+CONCEPT」と銘打ったカスタム仕様も登場し、かつてbBが担った若者文化へのアピールを意識した演出が行われました。  bBが持っていた「自分仕様に染められる箱」という思想を、現代の実用性・多様性・電動化という文脈でスケールアップしたのがカヨイバコです。  市販化されれば、トヨタの小型ライトバン「プロボックス」から、「タウンエース」「ハイエース」などのワンボックス型商用バン、さらにはライフスタイル用途までを統合する基盤になり得るでしょう。  カヨイバコの真の価値は、単なる一台の新型車を超えた「新しいクルマの作り方」にあります。  TPSの合理精神、BEVアーキテクチャの自由度、超拡張性能という柔軟性を融合し、複数のセグメントを横断する統合プラットフォームとして成長する可能性を秘めています。  まさに「bB以来の箱文化」の進化形ともいえる、トヨタの次なる企業変革の象徴です。  2025年秋開催予定の「JMS2025」では、より市販仕様に近づいたカヨイバコの第二形態が見られるかもしれません。  大いに期待して待ちましょう。

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