「共食い」も起きている哨戒機P1、会計検査院が「運用低調」と指摘…2兆3000億円超で26機追加予定

 日本周辺海域で潜水艦の探索や不審船監視にあたる海上自衛隊の哨戒機「P1」を巡り、会計検査院は27日、機体の運用状況を「低調」とする調査結果を公表した。  エンジンの不具合が相次いでいるほか、慢性的な部品不足などもあり、「任務に使える機体数が限られている」と指摘。検査院は防衛省に改善を求めた。  P1は2023年度までに、約1兆7766億円をかけて35機が導入された。運用終了を想定する54年度までに、2兆3000億円超の国費を投じて26機を追加する予定だ。  検査院は今回、19〜23年度のP1の運用状況を調べ、〈1〉エンジンの性能低下〈2〉情報収集に用いる電子機器の不具合〈3〉交換部品の慢性的な不足——といった要因を背景として、「可動率」が低調だったと指摘。エンジンの性能低下や電子機器の不具合は海上の長時間飛行による素材の腐食などによって引き起こされ、使用不能に陥るケースも多かった。  このほか、国際情勢の急変や半導体不足などの影響で部品の調達が遅れがちなことも可動率低下の要因になっていた。こうした結果、部隊では、ある機体の部品を外して別の機体に流用する「共食い」が起き、その場しのぎの運用が余儀なくされているという。  検査院は、有事の対処能力が明らかになる恐れがあるとして、可動率の数値や不具合の発生する機器名などは公表していない。  防衛省の担当者は取材に「指摘を真摯(しんし)に受け止め、引き続き可動状況の最大化に努めていきたい」と話している。

もっと
Recommendations

就職氷河期世代へ 政府広報オンラインのポストに恨み節続々「同情するなら金くれ」「おせーよ」

内閣府政府広報の公式「X」(旧ツイッター)アカウントが27日、…

韓国 ユン・ソンニョル前大統領の夫人・金建希氏が退院 株価操作やブランド品受領などの疑惑の捜査、今後進展か

うつ病など持病を理由に入院していた韓国の尹錫悦前大統領の夫人・金…

生活保護費の引き下げは「違法」減額処分を取り消し、国の賠償責任は認めず 最高裁

生活保護の支給額が引き下げられたのは違法だとして、受給者が国など…

「そのシワなかったことに!」美容液の誇大広告など、通販会社に6か月間の一部業務停止命令 消費者庁

美容液の誇大広告を行っていたなどとして、消費者庁は通信販売会社に2…

サントリー 7月からフジテレビでのCM再開へ 「新体制を確認できた」

飲料大手のサントリーは、フジテレビで見合わせていたCM放映を7月から…

電気代と都市ガス代 7月は全社で値下がり 東電616円↓ 東京ガス315円↓ 政府の補助金の再開で

来月の電気代と都市ガス代は、政府の補助金の再開により全社で値下が…

イノシシ、高崎駅前の高崎オーパ屋内に…西に向かって猛進し車と衝突死

群馬県高崎市のJR高崎駅西口周辺で27日夜、イノシシ1頭が出没…

蓮舫氏“戦闘服”白ジャケはリサイクル→「半分残してました」 国政「渡り鳥」批判→「謙虚に受け止める」

立憲民主党が参院選(7月3日公示、20日投開票)全国比例で擁立…

中国 軍の最高指導機関メンバー苗華氏を解任 中央軍事委員会で2人目となる異例の事態

中国で「重大な規律違反の疑い」で調査を受けていた中国軍の高官が解…

北朝鮮の工兵「早ければ7、8月に」ロシアへ…西部クルスク州の復興に派遣の見方

【ソウル=小池和樹】韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は26…

loading...