7月20日投開票の参院選は石破茂・首相にとって文字通り政権の命運がかかった選挙となるだけに、「国民1人2万円」の現金給付を打ち出し、なりふり構わぬバラ撒きに出ている。 【写真】黒いブラウスとタイトなパンツ姿の40代と思しき女性と東大阪市にあるラブホテルに入った その自民党で「絶対落とせない選挙区」(選対幹部)とされているのが改選定数4の大阪選挙区だ。現職の太田房江・参院議員が体調不良で不出馬を表明したため、急遽、候補者公募を行なって柳本顕・元代議士の擁立を決めた。自民党大阪府連幹部が危機感をにじませ、こう話す。 「大阪では過去2回の衆院選で自民党は小選挙区全敗。4人当選できる参院選でも落選すればそれこそ大阪自民は壊滅してしまう。府連は参院選での議席確保に全力をあげる方針です」 ところが、石破首相に近いといわれる大阪府連の最高幹部の1人が、毎週のように妻とは別の女性と「ラブホテル通い」をしていた事実を本誌は掴んだ。 その人物は鹿田松男・大阪府議。府議当選4回で、現在、自民党大阪府連総務会長と自民党府議団幹事長を兼ねる府連の実力者の1人だ。 石破首相とのパイプも太い。 鹿田氏が今年2月に帝国ホテル大阪で開いた新年会(約700人参加)では石破首相のビデオメッセージが流され、4月5日に石破首相が大阪・関西万博の視察に訪れた際には鹿田氏が案内役を務めた。2020年2月の鹿田氏の新年会では石破氏が主賓となり、スピーチを行なっている。自分の選挙区ではない一地方議員のパーティーに異例ともいえる肩入れぶりだ。 鹿田氏も自分のSNSに、〈本日石破茂総理と万博会場のチェコ館に行き総理が壁にオバQを書かれました〉と手描きのオバQの前で笑う首相の珍しい表情の写真をアップしている。 「石破さんにとって大阪は第2の地盤です。大阪の地方議員には石破シンパが多く、安倍晋三・元首相と争った2012年総裁選では大阪の党員票で安倍氏を上回った。鹿田府議はそうした石破応援団の中心の1人です」(府連関係者) 地元関係者はこう話す。 「2020年の鹿田さんの新年会では、石破さんは『東京一極集中を変えたい。日本のために、東京と比肩する大阪を作りたい』といった趣旨のことを語っていました。大阪にいかに入れ込んでいるかがわかるようなスピーチで、参加者も感慨深く聞いていたようです」 その鹿田氏が黒いブラウスとタイトなパンツ姿の40代と思しき女性と東大阪市にあるラブホテルに入っていったのは、6月上旬のある日の午前中。ちょうど自民・公明が参院選対策の「国民への現金給付」の合意に向けた協議で大詰めを迎えているタイミングだった。 鹿田氏の運転する白の軽自動車でホテルの駐車場に乗り付けると、2人は親密そうに顔や体を寄せ合いながらホテルに入っていった。 2人は45分ほどでホテルから出てくると、鹿田氏は車の後部座席に女性を乗せて走り去った。 この日大阪府議会では午後1時から本会議が予定されていた。同僚議員に聞くと、「鹿田府議は出席していました」というから、議会をサボったわけではなく、ホテルからちゃんと府議会に出勤したようだ。 鹿田氏はラブホ密会にどう答えるのか だが、密会はこの日だけではなかった。 実は、5月下旬にも2度、鹿田氏は同じ女性と同じ東大阪のラブホテルで密会している。 本誌・週刊ポストは鹿田氏を自宅付近で直撃し、女性との関係を質問した。 ──東大阪のラブホテルに女性と入りましたね。 「いやいや、そんなん行ってない」 ──こちらの写真ですね(写真を見せると)。 「え? これ、誰? 僕と違うよ」 ──女性とはどんな関係ですか。 「知らんし」 ──この日は午前中にホテルに行って、その後、府議会の本会議に出席した。 「そんなん知らんよ」 ──奥さんがいるのに問題ではないか。 「してないし、書くんなら書いたらええよ」 ホテルには毎回、直撃時も傍らに停まっていた鹿田氏の軽自動車で女性と一緒に乗り付けていたが、「知らん」「僕と違う」の一点張りだった。 改めて事務所に質問書を送付すると、鹿田氏本人の署名入りで「私の名誉と家族の人権に関わることなので弁護士と相談して対応させて頂きます」と文書回答した。 参院選の原動力と期待される“側近”の府連幹部がこれでは、石破首相にとって選挙の前途は暗そうだ。 ※週刊ポスト2025年7月11日号