梅雨時期や夏場になると気になるキッチンのカビ。水まわりはどうしてもカビが発生しやすく、悩んでいる方も多いのでは? ちゃんと掃除をしていても、目に見えない湿気や油分、ちょっとした暮らしの隙をついてくるイヤな存在ですよね。 そこで今回、人気ウェブサイト『台所図鑑』がキッチンのカビに関するアンケートを200人に実施。リアルな声や効果を感じた対策などを紹介しているので、「もうカビはこりごり!」という方はぜひ最後までご覧ください。 【アンケート調査概要】 実施年月:2025年6月 調査対象:20代から70代までの男女 収集方法:SNS/インターネット調査(クラウドソーシングサービス) 回答者数:200人(男性69人、女性131人) ※コメントは別のアンケートで得られた回答も含みます。また、一部抜粋もしくは修正をおこなっている箇所があります ここにカビが! 発生スポットと日々の対策 今回のアンケートでは、8割以上の方が「(過去5年以内に)キッチンでカビの発生経験あり」と回答。やはり梅雨から夏場にかけて悩むことが多いようで「この季節になると毎年うんざりする」といった声が多く集まりました。 【コメント抜粋】 ・いくら掃除しても無理。こういうものだと諦めている(40代/中部/マンションなどの1〜2階) ・あっという間にカビが発生する。こまめな掃除が面倒くさい(40代/北海道・東北/マンションなどの1〜2階) ・ズボラな性格上あまり丁寧に掃除できないため、毎年発生していることが悩みです(40代/近畿/マンションなどの3〜9階) ・これまで困った経験はないが、自分の目の届かないところでカビが発生している可能性もあるだろう。どこかのタイミングでキッチン全体を調べてみる必要があると感じている(40代/関東/マンション高層階) カビが発生しやすい場所は?(複数回答) やはり、排水口やシンクまわりが圧倒的に票を集めました。なかでも1位の排水口は、水気と汚れが混ざる代表的なカビの発生源。「掃除をしてもぬめりや臭いが残りやすい」「気づいたら黒ずんでいた」という声にも納得がいく、まさにカビの温床と言えるでしょう。 2位のシンクまわりや、3位のゴムパッキン・コーキング部分も水滴が残りやすい場所。洗剤ボトルの底(4位)やスポンジラック(6位)といった見逃しがちな接地面にも票が集まりました。また、冷蔵庫内(8位)や布きん(9位)など、湿気×常時使用という条件がそろった場所にも注意が必要です。 【コメント抜粋】 ・排水口なんてカビないわけがない。臭いしヌメるしカビるし本当に最悪(40代/関東/マンション高層階) ・普段からちゃんと掃除すればいいだけなのに、シンク内のカビを見つけたら「これでもか」というくらいキレイにしてしまう(30代/関西/マンションなどの1〜2階) ・三角コーナーもスポンジラックもカビやすいと分かっているけど「どうせカビるだろう」と思うと頻繁に掃除するのが億劫になる(20代/中国・四国/マンションなどの1〜2階) ・冷蔵庫のパッキンに発生するカビが厄介。細かいところなので掃除が面倒だし、何度も拭いては「なんでこんなにすぐ汚れるの?」とイライラしている(50代/近畿/一軒家・平屋) どんなカビ対策してる?(複数回答) 「カビ発生経験あり」の1位は定期的な掃除、次いで塩素系漂白剤、重曹・クエン酸など、基本的な対策が上位を占めていますが、「効果があるのか分からない」というリアルな声も聞かれました。とくに対策していない(7位)という回答もあり、全員が万全な対策をとれているわけではないようです。 一方「カビ発生経験なし」では、定期的な掃除(1位)と塩素系漂白剤(2位)という基本的な対策に次いで、とくに対策していない(3位)がランクイン。湿気がたまりにくい環境に住んでいるなど、日常の習慣だけで防げている可能性がうかがえました。 【コメント抜粋】 ・「水まわりのモノを減らす」に1票。驚くほど掃除がラクになり、カビやコバエと無縁の生活になったから(40代/近畿/マンションなどの1〜2階) ・定期的な掃除に勝るものはないと思う。水しぶきは都度拭き上げ、シンク内を毎日洗い、週1で排水口の部品を塩素系漂白剤に浸けるだけでも効果はある(40代/近畿/マンションなどの3〜9階) ・キッチンにエアコンの風が届かないため湿気が溜まりやすい。換気扇などで換気はしているが、梅雨時期は厳しい(50代/九州・沖縄/一軒家・平屋) ・キッチン用の防カビ用くん煙剤があれば便利なのに(40代/関東/マンション高層階) 住まいの形態によって差が出るカビの発生リスク カビの発生経験を住まいの形態別に見てみると、傾向がはっきり分かれました。 「カビ発生経験あり」のうち約6割が一軒家・平屋(1位)、次いでマンションの1〜2階(2位)と、約8割が低層住宅にお住まいでした。 一方、「カビの発生経験なし」のうち、半数が3階以上の中・高層階の住人です。なかでも、10階以上の高層階が約2割を占めており、住まいの通気性や構造、地面との距離、日当たりの良さといった条件の違いが関係しているようす。 いくら清潔を心がけていても、住まいの構造や立地がカビの発生リスクに影響するというのは、少しショックな現実かもしれません。「発生経験なし」の人は、リスクの少ない住まい環境そのものが最大の対策になっているとも言えそうです。 【コメント抜粋】 ・一般的に「湿気がひどい」と言われるマンション1階に引っ越します。分かった上で決めたものの、不安でいっぱいです(40代/近畿/マンションなどの3〜9階) ・この時期はつねに換気扇をまわしていますが、古い構造の家ということもあり毎年カビ対策に悩まされます(50代/九州・沖縄/一軒家・平屋) ・築古の木造住宅なので対策に限界がある。リフォームを検討している最中だが、キッチンだけ独立させたほうがいいのか悩んでいる(60代/関東/一軒家・平屋) ・いわゆる「うなぎの寝床」なので換気がしにくい(50代/近畿/一軒家・平屋) 今回のアンケートでは、戸建てや低層階の住まいでカビの発生経験が多く、中・高層階になるにつれて割合が減るという傾向が見られました。しかし、これはあくまで今回の傾向であり「低層住宅だからカビが発生しやすい」「高層階だから安心」という単純な話ではありません。 建物の立地や構造、断熱性・気密性の差、築年数や日当たりの良し悪しなど、住環境はさまざまです。たとえ築浅のマンションでも風が抜けにくい間取りであれば湿気がこもりやすくなりますし、古い一軒家でも定期的な換気や掃除を徹底すれば清潔を保てるでしょう。 基本的なキッチンのカビ対策(どの住まいにも共通) ・とにかく換気。カビ対策で最も大切なのは、空気を動かすこと。雨の日は窓を閉めがちですが、湿気がこもって逆効果になることも。雨が直接吹き込まない程度に窓を開けて、1日2回以上の換気を習慣に。換気扇は常時ONがベスト ・食べ物の残りかすや油分がカビの栄養源になるため、汚れをこまめに拭き取る ・排水口のぬめり対策を習慣化。週1回の漂白洗浄はマスト ・デジタルタイプの湿度計を置いて、湿気を「見える化」する ・乾いた状態で1日を終わらせる。シンクや蛇口まわりを乾拭きするだけでも効果バツグン 住まいの形態別・+αの工夫 【一戸建て・平屋&マンション低層階】 地面に近いため湿気がたまりやすく、外の湿気も入りやすい環境。結露も多め。窓の近くに調理台がある場合は、結露対策フィルム+断熱シートで湿気ブロック。カーテン裏や窓のサッシもカビの温床になりやすいので、定期チェックを。サーキュレーターで空気を動かせて、床に近いシンク下収納やゴミ箱まわりに除湿剤を。 【マンション中層階(3〜9階)】 風通しや湿度のバランスは比較的安定しやすいものの、間取りや部屋の使い方次第で湿気がたまる場所は意外と多い。使っていない部屋や北側の壁に面したキッチンは湿気がこもりがち。家具や冷蔵庫は壁から少し離して配置するなど、風の通り道を意識したレイアウトに。サーキュレーターや小型の空気洗浄機を活用して空気を動かす。 【マンション高層階(10階以上)】 風通しや日当たりにも恵まれていることが多く、カビの発生率は全体的に低め。しかし、気密性の高さが湿気の逃げ場をふさぐケースも。「いまは大丈夫」ではなく、予防の視点で対策を。晴れの日でもこまめに換気。調理家電の裏や隙間も定期的に拭き掃除。カビが付きにくいステンレス製の水切りラックや抗菌まな板など、素材から見直すのも◎。 それでもダメなら……おすすめのカビ取り方法 カビは予防が何より大切……とはいえ、どんなに気をつけていても「気づいたら発生していた!」ということ、ありますよね。 今回、最も効果を感じたカビ取り方法として圧倒的な票数を得たのは、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤でした。ナチュラル派の方からは重曹・クエン酸の組み合わせ、日常的なお手入れに使われるアルコールスプレーやエタノールを挙げた方も一定数見られました。 そして「どれも効果を感じない」という方も。カビの種類や場所によってベストな対処法は異なるので、カビ取り剤のミスマッチも考えられます。タイプ別のお手入れ方法を紹介しましょう。 【黒カビ(シンクの隅・ゴムパッキンなど)】 対処法:塩素系漂白剤を使ってしっかり除去 使用例:カビキラー、キッチン泡ハイター など ポイント:乾いた状態のカビに噴射→30分放置→水で洗い流す。マスキングテープで薬剤を固定するとより浸透 【白カビ(乾物の収納、引き出し内など)】 対処法:70%以上のエタノールと乾燥 使用例: パストリーゼ、ハイアルコールスプレー など ポイント:水拭きのあとにエタノールをスプレー→自然乾燥が効果的 【ゴムパッキンの奥など、根が深いカビ】 対処法:ジェルタイプのカビ取り剤で密着除去 使用例:カビホワイト、かびとりいっぱつ など ポイント:時間をかけてしっかり除去、すすぎは徹底する カビを見つけたら、こすらず落とす→水気を残さない→再発防止のケアをするが鉄則。 清潔に保つことはもちろんですが、見つけたときの対処力もカビ対策の一部です。落ち着いて、適切な方法でリセットしていきましょう。 ペットや子どもがいるご家庭には「次亜塩素酸水」 漂白剤や高濃度アルコールの使用に不安を感じる場合は、次亜塩素酸水という選択肢も。厚労省が食品添加物としても認めており、適切な濃度で使えば除菌効果がありつつ安全性も高いのが特徴です。 ただし、除菌力は保存状態や使用環境に左右されやすいため、用途・濃度に合った製品を使うことが大前提。広範囲の黒カビや根の深いカビには不向きな場合もあります。 また、時間の経過や紫外線などによって失活(効果が失われた状態)が進んでしまうこともあるので、直射日光が当たらない冷暗所で保管しましょう。 まとめ:今年こそカビに悩まされない夏に! キッチンのカビは、湿気・汚れ・通気性など、さまざまな要因が絡み合って発生します。今回のアンケートからも、住まいの条件や暮らし方によってカビのリスクに差があることが見えてきました。 「しっかり掃除しているのに」「うちは築浅だから大丈夫」などと油断せず、日々の換気・掃除・湿度管理の積み重ねをおこないたいですね。 ※当記事は複数のアンケートをもとに台所図鑑がまとめた記事コンテンツです 気になる「キッチンのコバエ対策」200人に聞いてわかった「コバエが発生しやすい場所」とは