西日本各地で史上最も早い「梅雨明け」の発表や、東京都心では6月として過去最多となる「12日目の真夏日」の記録…。まさに“異例の6月”で、多くの人が暑さ対策に追われる中、バンキシャ!が注目した日本近海の“海面水温の異変”とは。【バンキシャ!】 ◇◇◇ BBQ客 「夏を乗り切りましょう!乾杯!」 29日、都内のバーベキュー場。(THE BBQ BEACH in TOYOSU/東京・豊洲) バンキシャ! 「『夏を乗り切りましょう』と言っていたけど、梅雨明けていない…」 BBQ客 「やばいね、あと3か月ぐらい乗り越えないと」 東京はまだ梅雨明けしていないが、29日の最高気温は32.6℃。6月、12回目の真夏日で6月として過去最多となった。 バンキシャ! 「扇風機で涼んでいる人がいます」 東京では30日も真夏日予想。さらに記録が更新される見込みだ。 こちらは27日、統計史上最も早い梅雨明けとなった京都。29日、猛暑日となり(最高気温36.2℃)、さらなる暑さに見舞われていた。 オーストラリアから来た人 「暑いね。オーストラリアと同じぐらいの暑さだから慣れているよ。でもムシムシしているね」 29日は、猛暑日を記録したのは全国48地点。異例の暑さとなっている。 京都の“夏の風物詩”、鴨川の川床。28日、サーモカメラで表面温度を見てみると… バンキシャ! 「45℃を超えています」 そのため、来月からは営業時間を変えるという。 割烹 露瑚 女将 小林楓さん 「平日はお休みさせていただいて夜のみ営業」 「昼の営業分の売り上げは下がってしまう」 はたしてこの夏、どうなってしまうのか。気象学の専門家を取材した。 異常気象などに詳しい 三重大学 立花義裕教授 「3・2・1テイクオフ」 ◇◇◇ 28日、東京・浅草。最高気温が34℃に迫るなか、バンキシャ!は毎年この時期に行われている盆踊りを取材した。 参加者は約2万人(主催者発表)。この暑さにどう対応するのかも重要になってくる。 まず注目したのが、かき氷店。 店員 「はい、ブルーハワイ」 祭りの開始から1時間後にはすでに行列が。 バンキシャ! 「延々とかき氷を作り続けています」 しかし、開店4時間後にはマンゴーのシロップが底をついた。そして、午後7時すぎ。 バンキシャ! 「かき氷屋さん完売になっています」 かき氷の出店 店員 「カップがなくなったのできょうはここで終了です」 「前回は400杯だったのですが、倍の800よりも追加して900にしたのですが、それでも足りなかった」 一方、焼きそばの店では… 焼きそばの出店 店員 「焼く人も交代交代でやる形」 焼きそばを2、3回焼いたら交代。これを3人以上でやっているという。 そして盆踊りが始まった。 埼玉から来たという小学3年生。この時間の気温は31.5℃。熱中症対策は帽子と首を冷やすグッズ。 踊りと踊りの間では水分補給が欠かせない。父親が手持ちの扇風機を渡す。しかし… 小学3年生 娘 「電池切れてるぞ」 別の扇風機を渡すと… 娘 「また電池切れてる〜」 父 「本当だ」 28日は、熱中症などで体調不良を訴える人はなく、無事に祭りは終了した。 ◇◇◇ 28日、バンキシャ!は岡山県へ。観測史上最も早い梅雨明けとなった西日本各地。 名産の桃の農家からは心配の声が。見せてくれたのは、7月20日ごろに収穫予定だという桃。梅雨が短かったことで生育に違いが出るという。 赤木農園 赤木良光さん 「雨が降らないとやっぱり小玉になる傾向が多いので、商品として出せる大きさにならないものがたくさんできる」 そのため、この農園では、スプリンクラーで水をまく回数を増やすなどして対応しているという。 西日本各地で、統計史上最も早い梅雨明けとなるなど、異例の事態となっている2025年6月。 気象学の専門家は、ある警鐘を鳴らしている。 岩手県沖、約110キロの海上で、海面水温を観測している立花教授。海に容器を投げ入れ、海水をくみ上げる。その水温を測ると… 異常気象などに詳しい 三重大学 立花義裕教授 「だいぶ上がっていますね」 これは、28日記録された海面水温。一番高い時で20.8℃となっている。立花教授によると平年と比べて4℃以上も高いという。 三重大学 立花教授 「海面水温がどんどん上がっている。どんどんどんどん」 毎年上がり続ける海面水温。さらに、梅雨明けの早さが重なると、どんなことが起きるのか。 「早く梅雨明けすればするほど、6月ですから、夏至です。夏至のそばは日照時間が一番長いですから、梅雨が明けると雲がなくなり、どんどん海面水温が上がっていきます」 今の時期は、1年で昼間の時間が最も長い。早く梅雨が明けると雲などに遮られることなく、長時間、海面が温められる。 すると、ただでさえ温度の高い海面がさらに温められるため、大量の水蒸気が発生する。大気中の水蒸気は雨雲のもとになり、一度に降る雨の量が多くなるという。 「背景には地球温暖化があります。ですから、これからは2025年のような、ものすごい猛暑になって、かつある場所では豪雨が降るという極端化ですよね」 「(温暖化が進めば)これが普通の日本の季節の進行に変わる」 *2025年6月29日放送「真相報道バンキシャ!」より