日大重量挙部に入部予定の奨学生が学費名目で現金を詐取された事件で、詐欺容疑で逮捕された同部元監督の難波謙二容疑者（６４）がＯＢの依頼を受け、競技実績の乏しい子供を奨学生として入部させていたことが、捜査関係者への取材でわかった。 警視庁は立場を利用して関係者の入学に便宜を図ったとみている。 捜査関係者によると、難波容疑者は２０１０年代、同部ＯＢから「子供が日大への進学を希望している」と依頼を受け、入学金や授業料などが全て免除される第１種奨学生として大学に推薦し、入部させていた。 同部の第１種奨学生は、高校時代に全国大会で上位の成績を上げた選手らが選ばれていた。ＯＢの子供にこうした実績はなく、入学後も部の練習や大会には参加していなかったという。 日大では、奨学生に対し、各運動部から学生に入学手続きを案内する運用が行われていた。警視庁は、難波容疑者がＯＢ側に奨学生に選ばれたと伝えず、学費名目で計数百万円を受け取っていたとみている。 同庁は３０日、別の奨学生に対する学費詐欺容疑で難波容疑者を再逮捕した。 発表によると、難波容疑者はコーチと共謀して２３年１２月、翌年に入部予定だった奨学生４人の保護者に「２年次以降、（学費は）徴収されない」と偽り、初年度の授業料などの名目で計約２６２万円を詐取した疑い。「寄付金としてもらった金だと思っていた」などと容疑を否認している。 難波容疑者は２２年１２月に別の奨学生４人の保護者から計２０５万円を詐取したとして、逮捕されていた。東京地検は３０日、詐欺罪で東京地裁に起訴した。
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