参議院選挙の公示が、あさって3日に迫っています。日本テレビでは投票前に考える「政党フカボリ」と題して、投票の参考になるよう、各政党の現状や課題についてシリーズでお伝えしていきます。初日のきょう1日は自民党をフカボリします。政権の座を長く守り続けてきた自民党の支持基盤に今、異変が起きています。 ◇ ◇ ◇ 参院選の「顔」として全国を飛び回る小泉農水相。 小泉農水相「勝つぞ、勝つぞ、勝つぞ」 この日、会場に集まった人の多くは自民党の支持者、いわゆる「岩盤支持層」です。 集会に参加した自民党支持者「親の代からだから、ずっと自民党です。それ以外というのは、ちょっと考えられない」 集会に参加した自民党支持者(20年以上支持)「政権を担えるのは、やっぱり自民党かなと」 自民党の力の源泉は、いわゆる保守層を中心とする岩盤支持層の強い支持でした。 しかし、こうした「自民党支持層」にいま、異変が起きています。 先月の東京都議選で「大敗」した自民党。敗因の一つが「支持離れ」だとみられています。 自民党支持者で、自民党の候補者に投票したと答えた人は54.2%で、半数近くが他党に流れました。 自民党の候補が選挙で勝つために必要とされる支持層の最低7割を固めきれなかったといえます。 なぜ、「支持離れ」が起きているのか。50年以上、支持をしながら、支持をやめたという男性は——。 80代の元支持者「もう自民党やめた! 自民党は参議院もボロ負けして、過半数を割って、日本の政治を立て直さないと。(自民党は)本当に、根本的に体質を変えないと」 10年前まで自民を支持していたが、支持をやめたという男性は。 40代の元支持者「(自民は)一回、組織をリフレッシュしてもらわないと。組織としての、こう着かな。(他党には)凝り固まった考え方を転換してもらうことを期待」 自民党政治への「閉塞感(へいそくかん)」や新たな政党への「期待感」を指摘する声が出ています。 週末、自民党の全国の選挙責任者が集まった会議でも——。 石破首相「(都議選は)やはり、なぜあのようなことになったのか、新しい政党が支持を集めているのは、なぜかと」 会議では、都議選の大敗の要因に「保守層などの支持離れ」があるのではとの指摘も挙がりました。 この流れを、どうにか食い止めようという動きもあります。 中曽根康隆青年局長「現役世代の声を形に変えていくことが役割なので」 自民党青年局のトップ、中曽根康隆議員です。若い世代が今の閉塞感を打ち破れると動いています。 中曽根青年局長「内側から確実に行動を起こして、この自民という組織を変えていく」 しかし、街頭に立つと感じる逆風は強いといいます。 中曽根青年局長「『自民党は、もういいよ』と『役目を終えたよ』と、新しい政党が新しい時代を作っていくみたいな雰囲気を正直、感じるところもあります」 青年局の会合では——。 中曽根議員は他の政党との差別化こそが、逆風を食い止めるカギだと指摘しました。 中曽根青年局長「自民党らしい、責任政党らしい、中長期のことを含めた政策を打ち出していかないと。野党との競争ばかりに目が行ってしまうと、切り崩しが起きるかもしれない」 政治部与党キャップ・江口友起「『支持離れ』は今に始まったことではなく、政治と金の問題や総裁の求心力の欠如など、多くの要因が絡まっています。長年のツケが都議選で如実に現れた形ですが、従来の支持層をどこまで固められるかが、結果に大きく影響しそうです」